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夢幻水滸伝

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第四十三話 内政の人材その七

「凄いやろ」
「そんな力あるとはな」
「伊達に神具やないで」
「そやから神様みたいな力があるか」
「そや、まあそれは滅多にせんけどな」
 そこまでの速さで飛ぶことはというのだ。
「相当な時でないとな」
「そうか、まあとにかくな」
「奈良に着いたからやな」
「奈良に入って」
「星の奴に会うか」
「そうするで、ちなみにそいつ奈良は奈良でもな」
 ここでこう言った中里だった。
「郡山の方におるらしい」
「奈良の街にはおらんのか」
「広い田畑持っててな」
「それを耕してか」
「生活してるらしいわ」
 その郡山の方でというのだ。
「大きな屋敷でな」
「そこまで実り得てるんやな」
「農業でな」
 まさにそれでというのだ。
「職業は農民やしな」
「それはもうわかってるわ」
「あと種族はハーフオーク、こっちの世界では僕等の学園の農業科の二年E組らしいわ」
「色々わかってるな」
「神具もわかってるで」
 彼が持っているそれのこともというのだ。
「農業全書と三又のフォークな」
「フォークもかいな」
「これは本来西洋のもんやけど神具で持っててな」
 そうしてというのだ。
「一人で賊と戦って何人も倒したこともあるらしい」
「戦も出来るんやな」
「そうらしい、まあフォークは農具やけど戦でも使えるしな」
「それ鍬も鎌もやしな」
「簡単に武器になるわ」
 だから一揆の時にはよく使われた。だから一揆というものは起こされる方にとっても非常に恐ろしいものだったのだ。
「それでそのフォークで戦うことも出来るらしい」
「ハーフオーク自体結構力もあるしな」
「ああ、あの種族もな」
 力がある種族である人間とオークの間にある種族だからだ、尚この世界では人間とオークの間に子供は生まれない。
「それでや」
「力もあってやな」
「戦えるみたいやな、けどな」
「基本は農民でか」
「そっちで能力を発揮してな」
「でかい屋敷建てたか」
「しかも周りのどの農家も豊かにしてるらしい」
 自分が豊かになるだけでなく、というのだ。
「農業の知識、神具の力もあってやな」
「そうしてやな」
「そうもしてるらしい、何でも自分の知識で農家が豊かになったらな」
「それでええって考えやねんな」
「そやからな」
 それでというのだ。
「誘いかけたらな」
「入ってくれるか」
「それが太宰の読みや」
「ほな郡山まで行こうか」
「そうしよな」
 こうしたことを話してだ、そしてだった。
 二人で郡山まで飛んだ、今は都は素通りだった。やはりまずは仕事を済ませて落ち着いてからと考えていてだ。
 そのうえで郡山に着いた、まずは学校の建設も進めている大和郡山城に入ってそのうえでその者の屋敷に向かうのだった。
 中里は鵺から降りて彼と並んで道を歩きつつだ、鵺にさらに話した。
「そいつの名前言うてなかったな」
「ああ、何ていうんや」
「志賀徹っていうらしい」
「志賀か」
「そや、名前もわかってる」
 そこまでというのだ。
「完全にな、太宰はそこまで調べてたんや」
「事前にか」
「それでや」
「自分等を行かせたんやな」
「それぞれの性格まで話してな」
「つまちどう誘えば来てくれるか」
「そこまで考えてや」
 誰を行かせるかまで決めてだ。
「僕等も向かわせたってことや」
「そこは流石太宰やな」
 鵺も聞いて感嘆することだった。 
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