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夢幻水滸伝

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第四十三話 内政の人材その六

「そやからな」
「絶対に全員連れて来れる」
「そう確信してや」
 そのうえでというのだ。
「誘ってくで」
「自信を以てか」
「そや、そうするで」
「わかったわ、ほな奈良まで行こうな」
「そうしよな、まあ奈良はあの四人もおったけれどな」 
 鵺は傭兵であり今は自分達の陣営にいる瑠璃子達のことも話した。
「星の奴がもう一人おったってことや」
「そうなるか」
「そや、そしてな」
「それでやな」
「今からや」 
 まさにというのだ。
「自分の受け持ちの星の人材関西に入れてくで」
「そうするか、何か不安やったけどな」
「わしの励ましでやな」
「元気出て来たわ、やったるか」
「その意気や、人間まずは意気や」
 どうするかということを確かに決めてというのだ。
「そうしてな」
「そのうえでやな」
「何でもすることや」
「戦も政も確かに決めんと出来んしな」
「そや、それでや」
「人を誘うこともやな」
「その意気で行く、あとな」
 中里にこうも話した鵺だった。
「奈良やろ」
「あの街がどないしたんや」
「いや、奈良はどんな街かな」
「それは自分も知ってるやろ」
「神社やお寺がよおさんある」
「大仏さんがあって鹿もおるで」
 中里も鵺に話した。
「そうした街やで」
「そやな、あそこはええとこや」
「自分もそう思うか」
「見て回っていて落ち着くわ」
「ほな奈良の街も見て回るんか?」
「時間があったらな、それで星の奴の居場所もわかってるやろ」
「ああ、もう太宰から聞いたわ」
 具体的に奈良の何処にいるかをだ。
「わかってるわ、それでや」
「そこにすぐに行くか?」
「仕事はやれる時にやれ、やろ」
「後回しにしてもええことはないわ」
「そやからや」
 だからだとだ、中里は鵺に答えた。
「やってくわ」
「戦も政もそうせんとあかんからな」
「やれる時にやれることをやる」
 まさにというのだ。
「そうしてくもんやからやな」
「やるわ、まずは農業の奴入れるわ」
「ほなな」
「ああ、人材どんどん入れてこな」
「先に先にやってこな」
 奈良の街を巡るのもいいがというのだ。
「奈良見物よりも先にな」
「それは時間があったらやな」
「そや、もう見えてきたけどな」
 大地の先に都に似た壁に囲まれた街、日本においては珍しい城塞都市が見えてきた。中里はその街を見つつ鵺に話した。
「早いな」
「都から近いししかもわしが飛んでるんや」
「それでやな」
「その気になったら音の五倍の速さで飛べるで」
 鵺は中里ににやりと笑って答えた。
「それこそな」
「それほんまか」
「ほんまや、ただそれやるとめっちゃ疲れるけれどな」
 それでも出来るというのだ。 
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