夢幻水滸伝
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第四十二話 西国統一その八
「まずはです」
「内政の充実やな」
「日本を統一しても我々は太平洋の他の勢力より小さいです」
このことが念頭にある太宰だった、そこに危機感を感じていてそのうえで内政も考えているのである。
「その我々が他勢力に勝つには」
「内政で力を蓄えることも大事やな」
「はい、ですから」
それ故にというのだ。
「ここは内政を考えていきましょう」
「そうしよか」
「内政はです」
さらに話す太宰だった。
「国の柱なので」
「是非やな」
「力を蓄えていきましょう」
「ほなな」
綾乃は太宰に笑顔で応えた、そしてだった。
北原達を迎えたうえで今度は内政に力を注ぐことにした、それと共に九州で戦っていた軍勢を関西に戻すこともはじめた。
軍勢自体は海路から即座に関西に戻った、芥川も都に戻って中里に言った。
「もう九州のことは終わったわ」
「全部やな」
「ああ、井伏達はそれぞれの場所で内政に専念することになった」
「そうなったか」
「こっちには玲子ちゃんと夏目と例の四人を連れてきた」
「吉川は海か」
「そこで海関係の内政をするわ」
そちらをというのだ。
「又吉と一緒にな」
「そうなるか」
「貝殻で太宰から話は聞いてる」
内政のそれをだ。
「僕もそれでええと思う」
「内政はやな」
「そや、何といってもや」
「国の政の柱やな」
「いつも言うてる通りな、そやからな」
「内政の各分野の星の奴を集めてやな」
「そしてや」
そのうえでというのだ。
「国をめっちゃ豊かにするんや」
「それでやな」
「東海と北陸の動きを見つつな」
そのうえでというのだ。
「今はな」
「内政やな」
「そうや、それとな」
「それと?」
「他の勢力の動きも見るで」
「そっちの情報も集めてくか」
「これまで以上にな、それと前に話した」
芥川は中里にこの話もした。
「浮島の政もな」
それもというのだ。
「ちゃんとしてくで」
「本土だけやなくてやな」
「そっちにも民がようさんおるしな」
「そういえば結構おるな、浮島にも」
「中には街や村が幾つもある島もあるやろ」
そうした浮島もというのだ。
「人がおる島は全部な」
「ちゃんと内政するんやな」
「そうや、完璧を目指しても完璧にはならんけれど」
そこまでは至らないというのだ、こうしたことには幾分か達観していることが言葉の調子にも出ていた。
「出来るだけそうしてくで」
「わかったわ」
中里も頷く、そしてこの夜に彼は綾乃そして芥川と三人だけで御所の一室に集まってそのうえで話をした。
「今夜の話はな」
「前に話した浮島を軍事基地にすることやな」
「そや、それの話や」
まさにとだ、芥川は中里に答えた。三人は今は飲んでいない。
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