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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十四話 お盆の後の海その七

「相手が変なことをしたら」
「その時は」
「そう、普通に相手をぶん殴るよ」
 冗談抜きにそうしかねない。
「そこから大立ち回りとかね」
「確かにしそうですわね」
 ジョーンさんも話を聞いて頷いた。
「彼は」
「うん、若しスポーツ漫画の悪役みたいなチームが相手だと」
 よく出る反則上等のチームだ、ただしリアルでも暴力あり悪質なサポーターあり審判買収あり抗議ありの国がある。
「大変だよ」
「相手の反則に怒って」
「自分がやられても仲間がやられてもね」
 義侠心が強いのもこの場合厄介だ。
「暴れるよ、それもかなりね」
「怖いわね」
「ラグビーは紳士のスポーツだけれど」
「ですから乱闘は」
「そうだよね」
「そう思うとラグビーは危険な方ですか」
「水滸伝で乱闘起こしそうにない豪傑は」 
 何か大抵起こしそうだ、魯智深もそうだし武松もそうだ。そうした困った豪傑が多い作品でもある。李鉄牛は論外だ。
「林冲とか関勝とかかな」
「そうした豪傑ですのね」
「この人達ならね」
 人格的にもだ。
「大丈夫だよ」
「そうですか、ただ」
「ただ?」
「関勝は関羽の末裔ですよね」
「あっ、そのことだね」
「そうですよね」
「うん、そうだよ」
 その通りだとだ、僕も答えた。
「そのままモデルだよ」
「そうですね」
「武器も同じだし」
 青龍偃月刀だ。
「それに外見もね」
「同じですね」
「うん、強さもね」
「そうですね」
「まあ作品の中じゃ目立たない方だけれど」
 百八人の豪傑の中ではだ。
「強いよ」
「それでラグビーも、ですわね」
「出来ると思うよ」
「そうですのね」
「紳士的にね」
「ラグビーは紳士のスポーツですわ」
 それでというのだ。
「ですからラフはいけませんね」
「多くなりかねないけれどね」
「そこを抑えるものですわよ」
「それが出来ないと、ね」
「ラグビーをする資格がないですわ」
「そうだね」
「そう考えますと」
 ここでだ、ジョーンさんはこうも言った。
「魯智深は難しいですわね」
「うん、気質はいいけれどね」
 好漢と呼ぶ相応しい人間なのは事実だ。
「乱暴だからね」
「それがいけませんわね」
「どうしてもね、しかし思うことは」
 このことはというと。
「ラグビー向けの体格ではあるんだよね」
「そうですわね」
「しかも仲間思いだし」 
 このことはかなりのものだ、竹を割った様に非常に心地よい性格でもある。だから人気のある好漢の一人なのだ。 
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