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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十四話 お盆の後の海その五

「ただ」
「言い合いはよくない」
「そうですのね」
「そう思うよ、確かに勝ち負けは気になるけれど」
 僕にしろそうだ、野球でも阪神サッカーでも関西のチームが勝ってくれると何かと嬉しい。
 けれどだ、こうしてムキになっての言い合いとなるとだ。
「止めた方がいいから」
「義和が言うなら」
「それでしたら」
 二人も納得してくれた、正直輝かしい歴史を誇る阪神と人類の忌まわしき敵巨人の言い合いよりはずっとましだ。
「止めますわ」
「これで」
「そういうことでね、しかしラグビーって」 
 そのラグビーの話もした。
「元々はイギリスだったね」
「ラグビー校からですわ」
 ジョーンさんが答えてくれた。
「はじまったのは」
「学校の名前がそのまま競技の名前になったんだね」
「そうですわ」
 その通りという返事だった。
「そのラグビー校の方がサッカーの試合中にボールを脇の下に抱えてゴールに入り」
「それからなんだ」
「はじまったのでしてよ」
「サッカーからなんだね」
「はい、ただその激しさは」
 ラグビーのそれはというと。
「最早格闘技ですわね」
「そうだよね」
 見ているだけでそれはわかる。
「アメフトみたいな」
「むしろあちらがですわ」
「ラグビーのだね」
「派生みたいなものですわ」
「そうなるんだね」
「どちらも格闘技の様ですけれど」
「そうだね」
 見ているだけでわかる、このことは。
「ぶつかり合ってね」
「そうですね」
「もう格闘技だよね」
「実際に最も格闘技に近い球技でしょう」
「ラグビーもアメフトも」
「どちらも」
「そうだね、どっちもね」
 考えるだけでだった。
「格闘技だよね」
「ですから体格も凄くなりますね」
「そうだよね」
「食べる量も違ってきていて」
 激しく身体を動かす、それなら当然のことだ。
「もう必然的にです」
「戦車みたいになるね」
「戦車、そうですね」
 僕のその言葉にだ、ジョーンさんは頷いて答えた。
「確かに」
「戦車だよね」
「その通りですね」
「もうあれだけ凄い体格だと」
「まさに戦車で」
「格闘技の選手と変わらないね」
「その通りです」
 僕のその言葉に頷いてくれた。
「戦うと強いですね」
「そうだね、どう考えても」
「プロレスラーと同じ位かも」
 エリザさんはラガーマンやフットボーラーがどれだけ強いか、こう言った。
「体格と筋肉から見て」
「実際にタックルとか凄いし」
「多分同じだけ強い」
「そうかもね」
「日本の漫画でジョジョを読んだ」
「ああ、第一部で主人公ラグビーやってたね」
 思えばあの長大な作品もはじめはそこからだった、あのディオがジョースター家に来てそして大学生になってからだ。 
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