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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十一話 怪談その四

「一応違うから」
「そこは覚えてくってことだね」
「ええ、お願いね」
「そうだったね」
「とにかくね」
 モンセラさんは僕にあらためて話した。
「生贄はね」
「中南米にもあったんだね」
「というかこっちはおおっぴらよ」
「日本よりもだよね」
「アステカ帝国とか凄かったじゃない」
「何か神殿の階段が生贄の血で真っ赤だったんだよね」
「凄い血生臭かったそうよ」
 血のその匂いで神殿の周りがとんでもない匂いだったらしい、コルテス達がそれで仰天したという。
「日本の人柱はそこまでじゃないでしょ」
「それはね」
 そんないつも神々に捧げていたとかはだ。
「なかったよ」
「そうよね」
「うん、けれどね」
「けれど?」
「こっちに怨念があったとかは」
 その人柱にある様なだ。
「ないわよ」
「そうなんだね」
「インカ帝国にもね」
「それは宗教観の違いかな」
「アステカやインカと日本の」
「そうなのかな、日本だとね」
 松江城にしてもそうでだ。
「やっぱりね」
「人柱の祟りとか」
「あるんだ、ただ中国の昔でもね」 
「生贄にされた人の祟りとかないの」
「僕が知らないだけかも知れないけれど」
 それでもだ、あの国でもだ。
「生贄の怨念とかないね」
「そうなのね」
「まああの国は生贄の風習は結構早いうちになくなったけれど」
 春秋や戦国時代にかなりなくなったみたいだ、それは迷信としてなくされたという話も残っている。
「日本は戦国時代でもやってる人いたんだ」
「そういうの結構残るのよね」
 ニキータさんがこう言ってきた。
「迷信とかって」
「そうなんだよね」
「それで日本にもそうしたお話があって」
「怪談としても残ってるよ」
「そうなのね」
「人柱の話もあるし」 
 僕は二人にさらに話した。
「他にもあるんだ」
「そうなの」
「うん、北ノ庄城とかね」
 その跡に福井城が建てられて今も残っている。
「あそこで戦があって」
「それで幽霊出るの」
「戦で死んだ人の」
「そう言われてるよ、何でもね」
 僕が聞いた話ではだ。
「首のない騎馬武者が列を為して橋を渡るそうだよ」
「へえ、それはかなり怖いわね」
「そんなお話があるの」
「そうなんだ、昔から出るそうだよ」
 このお城の幽霊達はだ。
「あっちじゃ有名らしいよ。あと姫路城はさっき話したけれど」
「おさかべ姫よね」
「妖怪のお姫様ね」
「他にも井戸があって」
 この井戸も有名だ。
「お菊井戸っていうけれど」
「あれっ、お菊さんって」
「確か」
「そう、さっき番長皿屋敷の話を出したけれど」
 それがだ。 
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