八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百四十一話 怪談その一
第百四十一話 怪談
晩御飯の後書斎にいて本を読んでいたらその書斎にモンセラさんとニキータさんが来てこんなことを言ってきた。
「怪談の本ない?」
「怖いお話のね」
「怪談?あるよ」
僕は二人に顔を向けてすぐに答えた。
「色々な本がね」
「ええと、日本の怪談だけれど」
モンセラさんが言ってきた。
「私達が探してるのは」
「日本のなんだ」
「そう、そっちのね」
「幽霊とかのお話?」
「そう、妖怪でもいいけれど」
「妖怪はね」
日本の妖怪の怪談と言われてだ、僕はモンセラさんにこう答えた。
「あまり怖いお話ないんだよね」
「そうなの」
「怖いお話が読みたいんだよね」
「どっちかっていうとね」
「僕もだよ」
ニキータさんも笑って言ってきた。
「ドラキュラ伯爵みたいな」
「怖い話をなんだ」
「日本のそうしたお話読みたいけれど」
「何か日本の妖怪のお話はね」
書斎にも水木しげる先生の昔の本があるけれどだ、子供向けの図鑑みたいな感じの本で中々面白いけれどだ。
「どっか愛嬌があってね」
「あまり怖くないの」
「そうなんだ」
あまりそうした話は知らない。
「幽霊が怖いんだよね」
「日本じゃそっちが怖いのね」
「幽霊のお話が」
「そうなんだ」
こう二人に話した。
「というか幽霊に話になると」
「怖いの」
「そうなの」
「かなりね」
実際そうだと答えた。
「雨月物語とかね」
「雨月物語?」
「っていうと?」
「うん、上田秋成って人が書いた作品なんだ」
江戸時代の作品だ。
「そこで吉備津の釜って作品があるけれど」
「それが怖いの」
「怖さでいったら」
二人にこう話した。
「ポーや魯迅位かな」
「ああ、ポーも魯迅もね」
「どっちも怖いわよね」
「正直魯迅ってホラーよね」
「どの昨比も怖いわ」
モンセラさんとニキータさんは二人でも話した。
「幽霊が出ても出なくても」
「物凄く不気味で怖いのよね」
「水蓮は社会派って言うけれど」
「あれホラーよね」
「魯迅は確かにそうだね」
僕も思ったことを言った、当時の中国の因習や前近代性を批判しているというけれどそれ以上にだ。
「ホラーだよね」
「凄く怖いでしょ、魯迅」
「あれ純文学というよりホラーよ」
「あんなに怖い人ないから」
「そうそうね」
「そうだね、その魯迅と同じ位ね」
そしてポーにも匹敵する位にだ。
「その作品は怖いから」
「吉備津の釜は」
「そうなの」
「うん、あと怖いのは」
僕が知っている限りの日本の作品ではだ。
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