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夢幻水滸伝

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第三十八話 豊後の拠点その十三

「そういうことやな」
「そや、水や土地の関係もあるけれどな」
「水のない島、狭い島に人は住めん」
「そしてそうした浮島に入るとな」
 どうしてもというのだ。
「日干しになるで」
「その辺り海の上の島と同じやな」
「しかも空にあるからな」
「餓えは余計気になるか」
「そういうことや、浮島の奪い合いの戦なんてのも考えられるしな」
「日本ではなくてもやな」
 やはり空船の少なさが関わっている、そして日本では浮島に住んでいる者も少ないということもあってだ。この世界でも日本は島国であり海の上の島への移住の方にかなり向かっているからというのも大きい。
「他の勢力ではちゃうか」
「空船が多くなるとな」
「それだけやな」
「浮島にも進出が増える」
 そうなるというのだ。
「術も道具も出来てな」
「飛べる種族もおるしな」
「どんどん進出されていって」
「戦にもなってくで」
「そういうことやな、いやここの世界は凄いな」
 あらためて思った中里だった。
「僕等の世界と全くちゃうわ」
「そやろ、世界のことを理解する」
「それから何でもはじまるな」
「その通りや、ほな飯も食おうか」
「今からか」
「今日のお昼はうどんや」
 メニューはそれだというのだ。
「鍋焼きうどんな」
「そっちのうどんか」
「それも麺は柔らかい」
 芥川は笑ってうどんの麺の話もした。
「九州のうどんや」
「大坂もそやな」
「そやろ、こっちの世界やと」
「最近あっちの世界ではちゃうしな」
「麺にコシが出て来たな」
「あれは讃岐やな」
 そちらのうどんだというのだ。
「こっちの世界でもあそこはうどんよお食うてるらしいな」
「正岡と織田もそう言うてるな」
「そこは一緒やな」
「ああ、讃岐のうどんもええけどな」
 そのコシがあるうどんもというのだ。
「それでもな」
「柔らかいうどんもそれでな」
「ええな」
「ああ、伊勢うどんもな」
 伊勢の極めて濃厚なだしのうどんである、そしてこのうどんもまた麺は柔らかいものであるのだ。
 
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