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夢幻水滸伝

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第三十八話 豊後の拠点その十二

「琉球をな」
「それやったらな」
「この戦に勝ったらやな」
「行ってみたらええ、綾乃ちゃんも誘ってな」
 関西の棟梁である彼女もというのだ。
「そのうえでや」
「見るんやな」
「そや、まずは僕等三人でや」
 日本の神星の者達でというのだ。
「見るで、ええな」
「それだけ大事なもんか」
「何しろその島に職人やら大工やら密かに大量に送って缶詰で働かせてる、元々おった農民にも働いてもらってな」
「その島で食いものとかも作ってるか」
「そや、実はかなり豊かな浮島でな」
「田畑も多いか」
「相当な数の食料を自給自足出来て水も多い」
 そうした浮島だというのだ。
「何十万の将兵の飯を養える」
「そこまで凄いか」
「そやからな」
 それでというのだ。
「その浮島でや」
「戦うか」
「他の勢力とな、多分太平洋の決戦は浮島同士の戦になる」
 芥川はきっとした顔で言い切った。
「覚悟するんや」
「そういうことか」
「日本での戦は特に浮島は奪い合ってへんやろ」
「ああ」
 中里はここで空を見上げた、青い空には雲以外に島も浮かんでいる、まばらであるが島が確かに見えている。
「そういえばそやな」
「何処も島には兵は置いてへん」
「置こうと思ったら置けてもやな」
「空船の数が少ない、関西や関東以外はな」
 その為だというのだ。
「翼人は結構おるけどな」
「翼人も元々地上におる奴多いしな」
「飛行の術とかそうした術がかかった道具もあるにしろ」
 それでもというのだ。
「日本ではまだ浮島への開拓も進んでないしな」
「それで浮島での戦はやな」
「あまりない」
 そうした状況だというのだ。
「うちはな」
「そやねんな」
「そや、しかし他の勢力はどうか」
「ちゃうな」
「太平洋の他の勢力は日本より遥かに浮島に進出してる」
「それでそこからも豊かになってるか」
「そや、あと欧州では天空の城もある」
 芥川は笑ってマグリットやアニメの如き話をした。
「凄いやろ」
「こっちの世界ではほんまにあるんか」
「そや、おもろいやろ」
「ああ、それでうちもやな」
「そうした浮島の基地建造してな」
「他の勢力と戦うな」
「それで太平洋を統一してからもな」
 それからもというのだ。
「浮島使ってくで」
「わかったわ、しかし浮島もやな」
 中里はまた浮島を見て話した。
「これから開発、開拓してくんやな」
「人が住める島はな」
「そうしてくか」
「この世界の浮島は多い」
「海の上の島と同じやな」
「数は大体同じか」
「それでその島の数だけ人が住める」
 中里は目を光らせて言った。 
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