夢幻水滸伝
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第三十八話 豊後の拠点その八
「エンフィールド銃にもな」
「なってくか」
「先はな、アメリカはもう使ってるで」
そのエンフィールド銃をというのだ。
「あそこの科学はほんまに凄い」
「そして太平洋一の大国やな」
「そうなってる、半端やない」
アメリカの国力はというのだ。
「そやからな」
「アメリカと戦う時はか」
「相当な覚悟を決めて策も出してな」
「戦うか」
「正直太平洋の五つの勢力同士で決戦で決めるのはうちにとって一番ええ」
そうした流れだというのだ。
「何しろ国力ではうちが一番落ちる」
「一国だけやとな」
「一国では国力が高いけどや」
太平洋の中で第三位である、そのアメリカと中国に次いで。
「けどや」
「勢力としてはな」
「一番落ちる」
その米中に東南アジアとオセアニアの連合、そして中南米の中でだ。
「そやから他の勢力と長期戦になるとな」
「負けるな」
「一回の決戦の勝敗で決まるんやったらな」
「うちは楽やな」
「無制限戦争になるとや」
一次大戦や二次大戦の様なだ、一度か二度の戦場での勝敗で決する様な決戦思想に基づく戦争の在り方でなくだ。
「うちはやばい」
「国力が落ちるからな」
「そやけどな」
「決戦やとやな」
「一回の戦で決まる」
それ故にというのだ。
「うちにとってはええことや」
「どの勢力の決戦にも勝つか」
「そや、決戦の場が何処かそしてどんな戦になるかはまだわからんが」
それでもというのだ。
「その時もや」
「補給をしっかりしたうえでか」
「策と戦術も用意してな」
「勝つか」
「そうしてくで」
こう中里に話した。
「ええな」
「まだまだ先のことやけどか」
「もう考えてくで」
「そういうことか、それで何処も無制限戦争を避けてるのはあれやな」
「そんなんしたら何処もボロボロになるわ」
それこそというのだ。
「それで残るのはや」
「荒地とか廃墟やな」
「そうなったら本末転倒やろ」
「統一目指しててもな、どこも」
「しかも僕等は別に殺し合いはしてない」
戦争をしていてもというのだ。
「太平洋では覇権を競ってるだけや」
「星と国家でな」
「どの勢力が盟主になるかな」
「それだけやな」
「東南アジアやオセアニアや中南米は幾つも国家がある勢力やが」
所謂国家連合という形式の勢力だ、日本はこの世界でまだ国家として統一されていないがアメリカや中国は統一国家になっていてその他にはカナダやモンゴル、台湾や韓国といった諸国家があってそれぞれの星達がいて香港やマカオもある。
「何処が太平洋の盟主になるかでな」
「それを決める戦をするだけやな」
「そやから一戦か二戦で決める」
「無制限戦争はせんな」
「する理由もないしな」
「国や星が生きるか死ぬかやないか」
「二次大戦とはまたちゃう、その二次大戦でも日本も最後の最後で降伏してる」
いよいよ本土決戦かとなった時にだ。
「とことんまでやったんはドイツとソ連位や」
「ドイツは完全に国土占領されたしな」
「イタリアも途中で降伏してる」
ただしムッソリーニはナチスに救い出され一九四五年まで戦っている。
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