転生とらぶる
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ペルソナ3
1952話
「よし、ここが封印の階だな」
64階に到着し、既に見慣れたその光景を目にすると、俺はそう呟く。
そこには、俺の言葉通り封印されて先に進むことが出来ない部屋があった。
「わん!」
そしてコロマルがこれもまたいつも通りにレポートの束を見つける。
コロマルが初めてシャドウを倒してから、多少時間が経ち、今日から7月。
まさに、夏本番といった感じだが、コロマルの戦闘訓練とか、ペルソナをしっかりと使いこなす訓練とか、ゆかりや荒垣との連携とか、桐条グループに用意して貰ったソニックナイフをコロマルが使いこなせるようにして貰うとか……ともあれ、色々とあったのだが、それらの準備もようやく終わり、俺達はこうしてタルタロスに挑み……無事に64階まで到着した訳だ。
もっとも、番人シャドウが出て、双方向ターミナルがあるのが59階だったのを考えれば、正直なところこの階まで来るのはそれ程大変ではない。……いや、色々と新しいシャドウが出てきて、ゆかり達はそれらを倒すのに結構苦戦していたが。
そもそもの話、コロマルのケルベロスはゆかり達との相性がいい。
コロマルと荒垣が前衛……それもコロマルがその素早さで相手を翻弄し、荒垣はその隙を突いて強力な一撃を放つ係。そして、ゆかりは弓で援護をする係。
まさに、理想的なパーティと言えるだろう。
コロマルがまだちょっと力不足だが、その野生の力があれば、そう遠くないうちに他の2人の力に追いついてもおかしくはない。
勿論、簡単に考えすぎている……という可能性もある以上、実はコロマルの潜在能力がそこまで高くないという可能性はあるのだが。
「この調子で、これからも頑張れよ」
そう言い、コロマルの頭を撫でてやる。
すると、嬉しそうに鳴き声を上げた。
今までドッグフードとか結構やってきたけど、それでもここまで懐いたのは何でだ?
コロマルにとって、そこまで恩に着るような真似をしたかと言われれば……うーん、正直微妙と言ってもいいだろう。
当然、向こうにだって色々と思うところはあるんだろうけど。
コロマルに限らず、他の動物とでも意思疎通出来れば、色々と助かるんだけどな。
そんな風に考えつつも、取りあえずここはこれ以上探しても特に意味はないだろうから、そのまま双方向ターミナルからエントランスに転移する。
「お、アクセルじゃん、ゆかりッチに荒垣さん、コロマルも。今日はもう終わりか?」
エントランスに姿を現した俺達に対し、そう声を掛けてきたのは順平。
どうやら、今日は順平が山岸の護衛としてここに残っていたらしい。
山岸のサポートはかなり強力だが、死神がこのエントランスにも姿を現すと判明した以上、どうしても護衛を置く必要がある。
その為、どうしても実際にタルタロスを攻略するメンバーの数が少なくなるんだよな。
……これ、恐らく原作だとゆかり、荒垣……コロマルもか? が、この世界の主人公と思われる有里と一緒に行動していた筈だ。
そうなれば、山岸の護衛に戦力を裂いても、十分タルタロスを攻略出来る戦力は残っていたんだろうが……うん、その辺についてはちょっと悪い事をしたかもな。
もっとも、その辺りは今更心配しても意味はないんだろうが。
ともあれ、影時間が終わるまではまだ暫く時間があったのでコロマルと遊びつつ順平と話をする。
面倒臭そうな様子を見せる荒垣だったが、それでも何も言わずに壁に寄りかかっている辺り、コロマルに興味はあるんだろう。
実際、コロマルの方に何度も視線を向けているし。
ゆかりも山岸と話しており……やがて、双方向ターミナルから美鶴達が姿を現す。
「アクセル、まだいたのか? 珍しいな」
「特に何か用事がある訳でもないしな。……で、そっちは今どこまで行ったんだ?」
「47階の双方向ターミナルから戻ってきた」
少しだけ得意げな表情は、なるほど。47階まで到達したのであれば、納得出来る。
山岸の護衛として1人残さなければならないのはしょうがないが、それでもかなりの速度でこっちに追いついてきているのは間違いない。
……まぁ、俺達の場合、結界の部屋があるから毎回満月に出てくるイレギュラーシャドウを倒すまで、足止めをくらってるしな。
そういう意味では、やはり今回も次のイレギュラーシャドウが出てくるまで今日から足止めをされる事になるんだが。
美鶴達が、どこまでこっちに追いついてくるのかは……まぁ、後で考えればいい話だろう。
そもそも、別に競争してる訳でもないんだから、別に無理にこっちが先に進まなければならないって訳でもない。
そう考えれば、寧ろ美鶴達がこっちに追いついてきたら、一緒に行動した方が戦力が増えるという意味ではいいんだよな。
もっとも、俺達と一緒に行動するという事は、当然ながら俺を狙っている死神に美鶴達も狙われるという事を意味している訳で……そういう意味では、やはり美鶴達にとって負担が大きいのは間違いない。
「そう言えば……少しいいか? 最近無気力症の人が増えてきている」
「満月が近づいてきてるしな」
今までの傾向から考えると、無気力症……つまり、シャドウに危害を加えられただろう人の姿は、満月に近くなるにつれて、増えていく。
イレギュラーシャドウが関係しているのか、普通のシャドウが満月になるに連れて活発に動いてなのか、理由はともあれ無気力症……いわゆる、影人間と呼ばれる事もある者達の姿は多くなっていく。
「もう少しで満月だしな。この前の戦いは結構面倒だったけど」
ゆかりや有里と話している山岸の方を見ながら、そう告げる。
実際、山岸の一件がなければ、戦力的に分断されるような事もなかった筈だ。
もっとも、山岸の一件がなければ、山岸は美鶴達のパーティに入るような事はなく、探知能力とかがあるが、そこまで高くない美鶴達はタルタロスを攻略するのにもかなり苦戦していただろうが。
そう言えば、山岸を苛めていた森山だったか? あの女は現在かなり学校に来にくいらしい。
山岸もそれとなく庇っているらしいが……まぁ、一緒に山岸を苛めていた奴は無気力症になって入院中だし、学校では有里と親しく、それどころか美鶴や真田が住んでいる巌戸台分寮に住む事になり、その庇護下に入った。
そのような人物を苛めていた森山にとって、周囲が自分を見る目が厳しくなるのは当然だろう。
ポートアイランド駅の裏側に集まる不良達くらいか? 森山を受け入れるのは。
もっとも、そちらにも荒垣と親しい俺達が山岸とそれなりに友好的な関係だと知っている者もいる以上、以前同様に受け入れられるとは到底思えないが。
ちなみに魔王とか言われている俺も山岸と親しい事になっているらしいが……どうなんだろうな。
俺個人としては、自分の置かれている状況に抗いもせず、唯々諾々と受け入れていた山岸にはそこまで好意を持ってる訳ではないが、別に嫌いだという訳でもない。
そんな山岸がポートアイランド駅の裏側では俺や荒垣の保護下に入ってる状況というのは……正直、何だか微妙な気がする。
もっとも、それはそれ。これはこれ。といった事もある。
山岸が俺や荒垣の名前を使って妙な真似をするのであればともかく、今のところそんな様子はない。
いや、山岸の性格を考えれば、そんな真似をするとはちょっと思えなかった。
である以上、俺としてはその辺に特に何かをするつもりはない。
ともあれ、山岸がそんな状況である以上、森山の居場所はどこにもない……とは言わないが、かなり少なくなっているのは事実だ。
このままだと、一体どうなる事なのやら。
「それで、無気力症の人が増えているのは分かったけど、何か特徴はあるのか?」
「ふむ。その……特徴というか……」
何故か美鶴は言葉を濁し、薄らと頬を赤く染める。
何だ? 何かあったのか?
「ふむ、そうだな。ここでは何だし、どうせなら皆と情報を共有しておいた方がいい。明日の放課後……は、色々と厳しいか。では、影時間になったら私達の寮に来てくれないか? その時に説明しよう」
「まぁ、説明してくれるのはこっちとしても助かるし、タルタロスは封印されている階まで到達したから、別にいいんだが……ああ、これ」
ふと思い出し、先程入手したレポートの束を美鶴に渡す。
このレポートの束、何かに役立っているのかどうかは分からないが、桐条グループにとってはそれなりに大事な代物なのだろう。
「助かる。……さて、ではそろそろ影時間も終わりそうだし、出るとするか」
そんな美鶴の言葉に、エントランスにいた全員は俺の使う影のゲートにより、それぞれ送られていくのだった。
……そう言えば、最近死神を見てないんだが、どうしたんだろうな。
勿論、死神と遭遇すれば戦いになる以上、好んで遭遇したいとは思わないが……それでも、向こうにとって俺が何らかの意味を持ってるのである以上、いつ出てきてもおかしくはないのだが。
出てくれば面倒な相手なのだが、出て来なければ出てこないで面倒な相手なんだよな。
きちんと決着をつければ、もう出て来ないのか?
そんな風に思いながら、俺は影のゲートで全員をそれぞれ送っていくのだった。
「さて、影時間にわざわざ集まって貰ったのは無気力症の者達が増えている件だ」
美鶴とエントランスで話した翌日の影時間、俺達は巌戸台分寮に集まっていた。
美鶴達のグループ全員に、こっちもゆかり、荒垣、コロマルと全員揃っている。
唯一いないのは、幾月だが……まぁ、幾月の場合はいればいたで面倒な事になりかねないし、それでよしとしよう。
「俺ッチもそれについては情報を集めてきました。……まぁ、剣道部とかでも少し話題になってたんですけどね」
「剣道部で? ……ほう、何がどうなってそうなったのか、少し興味深いな」
笑みを浮かべた美鶴が、順平に視線を向ける。
ただし、口元には笑みが浮かんでいるのだが、目は全く笑っていない辺り不愉快な気分になっているのは確実だった。
順平もそれに気が付いたのだろう。慌てたように口を開く。
「い、いや。あくまでも噂! 噂ですから! そもそも、剣道部は部活のある日だけじゃなくて、本来なら部活のない日でも自主練をする人が多いんで、そういうのに手を出せる程暇じゃないです!」
「お前は普段、部活がない時は暇そうにしているように思えるが?」
美鶴のその言葉に、順平は言葉に詰まる。
いやまぁ、そもそも自主練って意味だと頻繁にタルタロスに挑んでるんだし、その上で強豪と名高い剣道部でも十分な実力を示しているんだし、順平がそこまで責められる事もないと思うんだけどな。
そんな風に思いつつ、俺は口を開く。
「順平について追求するのは、また後でにしてくれ。それより、今は無気力症の人の件だろ」
「ちょっ、まっ、おまっ!」
裏切ったな! もしくは、売ったな! そんな感じの視線をこっちに向けてくる順平だったが、何だかんだと順平が女に興味津々だというのは、今までの経験で大体理解している。
以前有里が入院した時に持っていった本の件もあるしな。
「む、それはすまん。そうだな。伊織についての話は、また後でしっかりとするとしよう。それで無気力症の者達についてたが……その、白河通り付近で見つかる事が多い」
白河通り? と一瞬疑問に思うが、急激に頬を赤くしていく様子のゆかりを見て、ふと思い出す。
「ああ、巌戸台にあるラブホテル街か」
「ちょっ、アクセル! そんなにあっさりと言わないでよ!」
「あー……そう言えば、ポートアイランドの駅に集まってくる奴の中でも、何人かあの辺りで無気力症になった奴がいたな」
「荒垣さん!?」
まさか荒垣からも何か言われるとは思ってなかったのだろう。ゆかりは信じられないといったような視線で荒垣の方を見る。
ただ……まぁ、荒垣の言いたい事は理解出来る。
基本的にポートアイランド駅の裏側に集まってくるのは不良が多いし、例外はあれど不良というのは若さに流されて性の暴走を引き起こしてもおかしくはない。
貞操観念? 何それ? 的な。
……まぁ、ホワイトスターにいる時は、毎晩10人以上を相手にしている俺の口から貞操観念なんて言葉が出ても説得力はないだろうけど。
ともあれ、そんな訳で不良達の中にはラブホテルの利用率も高くなり、結果として無気力症の人間が増えた……といったところか。
「そうなると、次の満月にイレギュラーシャドウが出てくるのは白河通りか」
「……恐らくだが」
美鶴は頬を薄らと赤く染めながら、そう告げてくる。
うーん……どうしたものか。
そこには行った事がない以上、出来れば地形を確認する意味でも一度見ておきたい。
「ゆかり、明日俺と一緒に白河通りに行かないか?」
そう告げた瞬間、ゆかりは頬どころか耳も含めて顔全体を真っ赤に染め……そして怒声が周囲に響き渡るのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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