夢幻水滸伝
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第三十七話 肥後へその十三
「わかってるな」
「はい、次は天草諸島」
「あそこですね」
「それで次は肥後」
「あそこに入れっちゅうですね」
「そや、肥後に入ったらな」
芥川は四人にそれからのことも話した。
「筑後の兵の大半を肥後に回すからな」
「それで肥後を攻める」
「筑後からも」
「そうしますか」
「夏目は筑前から動かさんけどな」
大宰府に残って後方からの補給や経理を受け持っている、戦で戦う以上に重要な仕事を受け持っているのだ。
「夏目が筑後の兵を攻めさす」
「それでうち等の指揮下に入る」
「そうして肥後攻めをする」
「そうなるんですね」
「筑後の兵は」
「そや、それで結構な数になるけど」
その軍勢の規模はというのだ。
「それでも熊本城は攻めたらあかん」
「それだけ堅固なお城やさかい」
「あそこはあえて攻めずに」
「囲むだけにして」
「薩摩との境を守りますか」
「それでええ、後は熊本ラーメンでも馬刺しでも何でも食うんや」
芥川は四人が好きな食べものの話もした。
「ピーマンでもな」
「ピーマンとシーチキンを一緒に炒めて」
「それか野菜炒めに入れるか」
「ナポリタンに入れてもええし」
「あと中に挽き肉を詰めて焼くとか」
「そこは好きにしたらええ」
四人に任せるというのだ。
「適当にな」
「わかりました」
「ほなここは私等で考えます」
「そうしてピーマン食べます」
「うち等ピーマンも食べますし」
「そうしたらええわ、とにかく熊本城は攻めんことや」
とにかく念を押す芥川だった。
「攻めても二万かそれ位の兵やと攻め落とせんしや」
「将兵の損害だけ増える」
「そやからですね」
「私等が神具を使って攻めても落ちへん」
「そうした堅城やさかい」
「あの城は特別やからな」
その堅固さが他の城とは違うというのだ。
「石垣かて半端やないしな」
「はい、囲んで終わりです」
「後は薩摩との境を固めて」
「じっくりと守ります」
「そうしていきます」
「そういうことでな、ほなそっちは任せたで」
四人にとだ、ここまで言って芥川は通信を切った。残された四人はちゃんぽんをすすりつつまたわをした。
「ほな熊本城は攻めへん」
「芥川さんの言う通りに」
「そのことは守って」
「あんじょうやってこうな」
食べることに目がいっているが戦のことも考えている四人だった、そうして今度は天草から肥後に入るのだった。
第三十七話 完
2017・10・8
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