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夢幻水滸伝

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第三十七話 肥後へその十二

「焼き餃子は主流やないって」
「日本では主流でもな」
「それはちゃうってな」
「実際に言うてるな」
「ほんまやな」
 その様にというのだ。
「餃子のことも」
「神戸でもそやな」
 この街での中華街もというのだ。
「あそこの中華料理も日本のとちゃうってな」
「日本の中華料理ってあれか」
 紗枝があらためて言うことはというと。
「日本の洋食と一緒か」
「結局そやろ」
「日本の料理ってことやろ」
「ルーツはともかく」
 三人はすぐに答えた。
「それはな」
「結局日本のものになった」
「日本に入ってな」
「ハンバーガーもそやな」 
 雅美はアメリカの料理を出した。
「それもやな」
「そうそう、あれもな」
「アメリカから来た子ちゃうっていうし」
「日本のとアメリカのは」
「あれもやしな、結局その国の料理にアレンジされて」
 日本に限らずだ。
「その国の料理になってくんやな」
「この豚腹煮込みもやな」
 由香は今度はそれを食べている、じっくりと煮られた豚腹を包の中に挟んでそのうえで食べているのだ。
「日本の味やな」
「そやろな」
「これも日本の味やな」
「そうなってるな」
「メインで食べるのがうち等やからな」
 つまり日本人達だというのだ。
「そやからな」
「そやな」
「味は日本の味になっていって」
「それで日本の料理になってくんやな」
「そやな、これなんかな」
 豚腹の濃厚な味と包の優しい味を楽しみつつ言う由香だった。
「本場はほんまにな」
「ちゃうやろな」
「一回中国行って食べてみたいな」
「こっちの世界のな」
「あそこに雇われたら」
 その場合のことにも言及する由香だった。
「一回食べてみたいな」
「拉麺も餃子もな」
「他のものもな」
「是非食べてな」
「それで確かめたいな」
「味は舌で確かめるんや」
 そのうえでというのだ。
「そやからな」
「実際に中国に行ってやな」
「自分達で食べて確かめる」
「それが一番やな」
「そういうことやな、ちゃんぽんも然りやしな」
 その前の佐世保カレーも九州上陸時に食べた博多ラーメンやガメ煮や明太子もだ、もっと言えば広島の牡蠣やお好み焼きもだ。
「ほなな」
「よし、中国も行こうな」
「それと東南アジアやとトムヤンクンとか生春巻きや」
「アメリカのハンバーガーやメキシコのタコスもやな」
「何でも食べて確かめような」
 四人で各国の名物の話にも興じる、だがここで芥川が四人に貝殻で連絡を入れてきてそうして彼女達に言った。
「長崎も占領したな」
「それで今長崎ちゃんぽん食べてます」
「めっちゃ美味しいです」
「後でカステラも食べます」
「坂道歩いて景色も楽しみます」
「そういうのは楽しんでもええが」 
 それでもと言う芥川だった。 
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