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夢幻水滸伝

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第三十八話 豊後の拠点その一

               第三十八話  豊後の拠点
 中里が率いる主力軍は豊前から豊後に入っていた、芥川は中里と共に本陣にいながら彼に対して言った。
「ほなこのままや」
「府内城やな」
「あそこを占領するからな」
「そしてあそこに拠点を置いてか」
「日向を攻める、それに府内城を占領して豊後を抑えたらな」
 芥川はそうした場合についても話した。
「肥後とつながるからな」
「あの国とか」
「豊前と筑後の間は険しい山が連なってて陸からは行きにくいけどや」
 それでもというのだ。
「熊本城は攻め落とさんけどな」
「睨み効かせられるな」
「あそこ守ってる純奈ちゃんにな」
 彼女にというのだ。
「あの娘と雪路ちゃんはやがてこっちに来て決戦に加わるけどな」
「それでもやな」
「肥後も攻められる様になる、しかも豊後から熊本城への補給はや」
「完全に途絶える」
「これも大きい、熊本城に兵糧や武器はよおさん入れてるけどや」
「それでもやな」
「孤城に出来る」
 完全にというのだ。
「それが大きい」
「そやな、孤立させて囲んだらな」
「もう攻め落とせんでもな」 
 それでもというのだ。
「無力化出来る」
「そういうことやな」
「そしてそのうえでや」
「府内城を日向攻めの拠点にする」
「決戦のな」
「それだけに大きいな」
 中里は芥川の言葉を受けて確かな顔で頷いた。
「府内城占領は」
「そや、焦ることなくや」
「府内城を抑えて拠点化する」
「そうするんや」
 まさにというのだ。
「じっくりとな、今後の政も考えてな」
「戦の後もやな」
「そや、戦で勝って終わりか」
「むしろそれからやな」
「それでや」
「あの城はじっくりと拠点化するんやな」
「政の方でもな」
 そちらからもというのだ。
「そうしてくで、ただそれをしながらもや」
「今はやな」
「戦や」
 これが大事だというのだ。
「戦の拠点にするで」
「そうなるな」
「もう相手は日向で戦うつもりやしな」
「豊後から退いててな」
 豊前でもそうだった。
「それでやな」
「もう一気に逆転するつもりやからな」
「向こうさんはやな」
「そっから反撃に転じるつもりやからや」
「もう豊前、豊後からあえて退いて」
「決戦を挑むからな」
 この考えだからだというのだ。
「府内城もや」
「一時にしろ放棄してるか」
「僕等が占領することを念頭に置いてな」
 そして日向での戦の拠点にすることをだ。
「そうしてる」
「決戦に勝つ為にそこまでしてるんやな」
「それだけ相手も必死やってことや」
「そやな、それだけに日向での戦は用心すべきやな」
「さもないとや」
「こっちが負けるな」
「数と装備と星の奴で勝てるんならな」
 こうした要素は勝つ為に重要であるが、というのだ。 
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