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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百三十九話 雨のバイク部その十四

「もう終わってて」
「それでなんだ」
「しなかったのよ」
「それでモップを収めて?」
「解散になって着替えて」
 そしてというのだ。
「こっちに来たのよ」
「それでも早いね」
「いや、私着替えるの速いから」
「それでなんだ」
「歩くのも速いし」
 そちらもというのだ。
「もっと言えばお掃除もね」
「全部メイドさんだから?」
「そうよ」
「速くするお仕事だから」
「部活でもね」
 メイドならというのだ。
「そうするものだから」
「速く終わったんだ」
「そうなの、じゃあね」
「うん、今からだね」
「帰りましょう」
 僕に微笑んで言ってきた。
「これからね」
「それじゃあね」 
 二人で傘をさして下駄箱を後にした、そうして八条荘に帰ろうとしたけれどその時にだった。
 高等部の正門まで来たところで後ろからだった、イタワッチさんの呼び止める声が聞こえてきた。
「待って」
「あっ、一緒になんだ」
「帰らない?」 
 こう僕達に言ってきた。
「会ったから」
「それじゃあね」 
 僕も頷いて応えた、むしろ僕よりもだ。
 テレサさんがだ、こうイタワッチさんに言った。
「というか聞きたいことあるから」
「聞きたいこと?」
「そう、イタワッチにね」 
 だからだというのだ。
「それでなのよ」
「私と一緒に帰って」
「色々教えてくれる?」
「いいけれど」
「それじゃあね」
「一緒にね」
 二人で話をまとめてだった、そのうえで三人で帰りはじめた。夏の雨の夕暮れはいつもよりも気温は低いけれど湿気は多くて蒸し暑かった。


第百三十九話   完


               2017・5・9 
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