夢幻水滸伝
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第三十七話 肥後へその六
「足止めを受けてるっていったら受けてるからな」
「敵を警戒して進軍速めてないから」
「周りに警戒しながら進んで」
「奇襲とかに気をつけて」
「つまり敵の思惑にかかっていると」
旗本は微妙な顔で言う四人にこう聞いた。
「そうだというのですね」
「その通りや」
四人同時に旗本に答えた。
「雪路ちゃんは結局足止め役やからな、今回」
「その足止め受けてな」
「それで進撃が遅いとか」
「やっぱり不愉快や」
敵の思惑にかかっているからというので。
そしてだ、そうした話をしてだった。四人は旗本にあらためて言った。
「けれどこれから佐世保に入るで」
「それで佐世保占領や」
「当然略奪棒鋼は厳罰やで」
「民衆に手出しは一切あかんで」
軍として醜い行いはするなとも言うのだった、そのうえで軍勢を佐世保まで進ませた。すると四人は微妙な顔から一変してだった。
明るい顔で佐世保の中にあるカレー屋の一店に入ってカレーを食べてだった、笑顔で話をしだした。
「いやあ、美味しいわ」
「言われるだけあるな」
「佐世保のカレー美味しいわ」
「これは何杯でも食えるで」
カレーを食べつつ笑顔で言う、見れば四人共ビーフカレーを食べているが瑠璃子が仲間達に笑ってこう提案した。
「次は海老フライカレーにしよか?」
「二杯目やな」
「それは海老フライカレーか」
「それにしよっていうんやな」
「そや、どや」
こう三人に言うのだった。
「ここは」
「いや、チキンカレーやろ」
雅美は瑠璃子にこちらのカレーを出して対抗した。
「二杯目は」
「ポークカレーにしたらええやん」
紗枝が押すのはこちらだった。
「それでええやろ」
「ここはがっつりカツカレーにせん?」
由香はこのカレーを出した。
「それにしたらどうや」
「いや、海老フライカレーのよさを考えたらな」
瑠璃子は三人に一度に反論した。
「それしかないやろ」
「そやからチキンカレーやろ」
「ポークカレーのよさわからんってあかんで」
「カツカレーは王道やろ」
他の三人もそれぞれの好きなカレーを押す、そうして食べながら譲れないものを出していたがその四人に店の親父がこう言った。
「あんた達全部食えばよかと」
「今言うたカレーをか」
「四つのカレー全部か」
「うち等が全部食べる」
「そうしたらええんか」
「そうたい、四人共全部のカレーを注文してばい」
そうしてというのだ。
「食べるとええたい」
「そやな、言うたお皿四つ全部食べたらええな」
「全部のカレーをな」
「四人前食べようか」
「そうしような」
「そうしたらいいたい」
また言う親父だった。
「そうしたら腹一杯になってしかもおいも儲かるばい」
「ああ、うち等がそれだけ注文するからな」
「それやったらおっちゃんも儲かるわ」
「おっちゃんも頭ええわ」
「儲けも考えてるか」
「こっちは商売人とよ」
だからとだ、親父は四人に返した。
「それ位考えてるばい」
「そういうことやな」
「ほな話に出た全部のカレー食べよか」
「注文してな」
「そうしよか」
「そうするといいばい、あとデザートにたい」
親父は四人に食後の話もしてきた。
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