夢幻水滸伝
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第三十七話 肥後へその一
第三十七話 肥後へ
瑠璃子達四人は順調に佐世保に向かっていた、瑠璃子は自ら軍勢に対して確かな声で指示を出していた。
「佐世保や、佐世保に行くで」
「それで佐世保占領して」
「そこからさらにですね」
「そや、その後は長崎や」
この街も占領するというのだ。
「そうしてくで」
「それも急いで」
「佐世保に入って占領して」
「長崎もそうして」
「その後もですか」
「天草諸島を占領して肥後や」
この国に入るというのだ。
「そうしてくからな」
「そやから急ぐんですな」
「佐世保まで」
「佐世保ではカレーや」
瑠璃子は笑ってこの食べものを出した。
「あれを食べるで」
「あれっ、カレーって横須賀ちゃいます?」
兵の一人が笑ってカレーを出した瑠璃子に怪訝な顔になって突っ込みを入れた。そこは確かという感じで。
「関東の方の」
「いや、佐世保もやで」
だが瑠璃子はこうその兵士に返した。
「あそこもカレー有名やねん」
「そうでしたか」
「美味しい名物は全部頭の中に入れてる」
瑠璃子は確かな笑みでこうも言った。
「そやからや」
「佐世保の名物もですか」
「ちゃんと頭に入れてる」
それはカレーだということをというのだ。
「しっかりとな」
「そやからですか」
「佐世保ではカレー、長崎ではちゃんぽんや」
長崎の話もするのだった。
「それで天草で鶏肉食べて肥後で馬刺しや」
「何か食いものばかりですね」
「どうにも」
「当り前や、人間は食べんと死ぬ」
餓えてとだ、瑠璃子は兵達に笑って言った。
「そやからな」
「名物は全部押さえてるんですか、大将は」
「何処の何が美味いか全部わかってますか」
「そや、とにかくまずは佐世保や」
この街に入るというのだ。
「そしてカレー食べるで」
「わかりました、ほな行きましょ」
「まずは佐世保に」
兵達も瑠璃子に応える、そのうえで彼等は佐賀城から佐世保に向かっていた。
それは瑠璃子が率いている軍勢だけでなく他の三人と彼女達が率いている軍勢も同じだった。佐世保への道を進んでいた。
そして夜は軍議を開きだ、四人で話していた。
「今のところ何もないな」
「そやな」
由香に雅美が応える。
「雪路ちゃん佐世保に入ってな」
「そこから動かんわ」
「ほな佐世保で一戦か」
紗枝はこう予想した。
「そうなるか」
「そうなるかもな、ただな」
瑠璃子は三人にこう話した。
「吉川さんの水軍がな」
「ああ、佐世保に向かってる」
「そうしてくれてるな」
「博多の港から」
「そやからな、海と陸から攻めてな」
そして空からもだ、瑠璃子は雪路がいる佐世保をどう攻めるかと三人に話した。
「勿論空からもな」
「それで一気に佐世保を落とす」
「長崎も一緒やな」
「そうしてくな」
「そや、それで攻め落としてこな」
こう三人に話した。
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