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夢幻水滸伝

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第三十六話 長崎攻めその八

「そうなった場所や」
「そやからやな」
「要人が必要や」
「伏兵を仕掛けることもか」
「大いに有り得るで」
「しかも今あっちはかなりやばいしな」
 劣勢の状況にあるとだ、中里も九州の軍勢をそう見ていた。
「兵力も勢いも」
「そやったらや」
「奇襲を仕掛けてくる可能性は高いな」
「釣り野伏で来るとは限らんけどな」
「何かしらの奇襲でやな」
「こっちを一気に破ろうとする」 
 そうして彼等が勝つことをというのだ。
「狙って来る可能性が高いで」
「そういうことやな」
「そや、それでな」
「奇襲には気をつけてやな」
「そのうえでいくで」
 日向、この国にというのだ。
「大軍を以てな」
「大勝利を狙うか」
「そうしていくんや、あと昼飯の時になったら」
 芥川はその時の話もした。
「ラーメン食おうか」
「ラーメンか」
「ああ、もう豊前におるけど博多におったんや」
 それでとだ、芥川は笑って中里にラーメンの話をした。
「それでや」
「博多ラーメンか」
「それを食おうな」
「あの豚骨ラーメンやな」
「あれも中々ええ」
 白いスープのこのラーメンもというのだ。
「関西は薄口醤油のが多いからな」
「そやな、ラーメンは」
「けれど九州は豚骨が多くてな」
「博多もやな」
「その代表や」
「あと鹿児島もやったな」
「あそこも豚骨や」
 これからダシを取るというのだ、これはラーメンではないが長崎ちゃんぽんについても同じである。
「豚骨ラーメンもまたよしや」
「僕も好きやしな」
「星の奴本陣に集めて軍議も兼ねてな」
 そのうえでというのだ。
「博多ラーメン食うで」
「そうするか」
 夕食の話もした二人だった、そして実際この日の夕食は博多ラーメンで兵達もそれを食った。
 中里達もだ、本陣に集まりそこで白いスープの細い麺のラーメンを食いながら軍議を開こうとしていた。
 ラーメンをすすりつつだ、中里はまずはそちらの話をした。
「このラーメン美味いな」
「そやな、個人的には醤油派でもな」
 芥川も中里に応えてラーメンの感想を言う。
「豚骨もええな」
「独特のコクと味があるな」
「そやから有名やねんな」
「これだけ美味いから」
「そういうことやな、麺もええわ」
 細めのそれもというのだ。
「スープがよく絡まってな」
「ほんまにな」
「この美味さまっこと最高ぜよ」
 正岡もラーメンを食いつつ言う。
「食っていて幸せになれるぜよ」
「そういえば正岡さんラーメンもお好きでしたね」
 織田もそのラーメンを食いつつ正岡に言った。
「こちらも」
「大好物ぜよ」
「おうどんに鰹に」
「魚は鯛ぜよ」
「私の故郷の愛媛、この世界の伊予のですね」
「そうぜよ、さてそれで戦のことじゃが」
「豊後に拠点を置いてや」
 芥川もラーメンを食べている、そうしつつ正岡に答えた。 
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