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夢幻水滸伝

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第三十六話 長崎攻めその七

「その時に大勝利でええ時もあればな」
「辛勝の方がええ時もあるか」
「そこはその時の状況次第や」
 戦は勝てばいいという訳ではない、その時の政治的状況によってどういった勝ち方がいいかが変わるというのだ。
「それで今はな」
「大勝利やな」
「それで敵の軍勢を徹底的に叩いてな」
 そうしてというのだ。
「すぐに講和に持ち込む」
「薩摩や大隅での戦はさせん」
「そうする、そこで水軍を薩摩の海にも出してええ」
 彼等も使うというのだ。
「それで海から圧迫するのも手や」
「色々あるんやな」
「そうや、僕としては日向で終わらせたい」
 そこまでの長期戦は避けるというのだ。
「中国、四国は幸い井伏や正岡が野心薄くてあっさりこっちについてくれたからすぐに終わったけれどな」
「それはやな」
「今回はちゃうからな」
「北原は野心があるからな」
 彼もまた日本統一を目指しているというのだ、そして日本の棟梁になろうとも考えているというのである。
「そやからな」
「そうそう簡単にはいってない」
「それが今やな」
「日向での戦になるんや」
「それでそこで大勝利やったら九州での戦は終わるか」
「北原も諦めるわ」
 自分が天下を統一して棟梁になるというそれをというのだ。
「そして僕等の仲間になる」
「九州の星の奴全員がやな」
「そして九州の土地も民も兵もや」
 勿論そこにある産業もだ。
「全部関西に入る」
「これで西国統一やな」
「ああ、あと貿易もこれまで以上に出来るで」
 そちらの利益も入るというのだ。
「今うちは国内の商いと他国の貿易もしてるな」
「堺、神戸を使ってな」
「あと高知も考えてるけれどな」
 それだけでなくというのだ。
「博多、長崎そして琉球も手に入るからな」
「そうか、琉球もか」
「こうした場所から盛んに貿易が出来る」
 他の国々とのそれがというのだ。
「中国なり東南アジア、アセアンなりアメリカとな」
「これまで以上にな」
「これまで九州はそれで大きな利益を得てた」
 他国との貿易によってというのだ。
「その利益もや」
「うちは手に入れるんや」
「そうなれば相当な力やな」
「その力も使って西から今度は東に攻めていってな」
「日本統一やな」
「そうしていくんや、それで最後に統一を争うのはな」
「東国やな」
 中里は目を鋭くさせて芥川に言った。
「あそこやな」
「そや、関東と東北と蝦夷や」
「その三つの地域の連合か」
「あそこと派手に戦ってな」
 そうしてというのだ。
「統一になるで」
「そうなるか」
「先はな、そしてその中の一歩としてな」
「これからの戦があるんやな」
「そうなる、ほなまずはこの豊前を抑えてな」
 そしてというのだ。
「豊後や、それで豊後に拠点を置いてな」
「日向に入ってやな」
「決戦や、多分耳川辺りで決戦になるわ」
「耳川か」
「知ってるやろ、あの川のことは」
「あそこでも戦があったわ」
 彼等の世界でとだ、中里は話した。
「島津家と大友家でな」
「大友家は耳川の戦いで大敗した」
 島津家の乾坤一擲の釣り野伏の戦術によってだ、当主大友宗麟が出陣しておらずそのうえ途中その宗麟のkリスト今日への信仰から神社仏閣を破壊していたことにより将兵の士気とまとまりを欠いていた大友家は大敗しここから大友家は大きく傾いた。 
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