八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百三十八話 忘れられないものその九
「太るわよ」
「食生活が大事だってことだね」
「ジューンが言ってたわ」
アメリカ人の彼女がというのだ。
「日本にいたら痩せるって」
「食べもののカロリーが少ないから」
「アメリカと比べたら半分もないでしょ」
そのカオリーがだ。
「それこそ」
「そこまで少ないかな」
「絶対そうよ、焼き魚なんてね」
このお料理はというのだ、
「もうどれだけカロリーないのよ」
「脂が乗ってるのもあるよ」
「その脂も脂じゃないって言ってるでしょ」
「アメリカから来た子はね」
大抵の子がこう言う。
「それはね」
「本当に半分もないから」
「そんなにカロリー少ないんだ」
「だからね」
「和食は痩せるんだ」
「そうよ、アメリカと同じだけ食べても」
例えそうしてもというのだ。
「極端には太らないわよ、絶対に」
「絶対にだね」
「ええ、ならないわ」
本当にという返事だった。
「それはね」
「そうなんだね」
「あとね」
「あと?」
「牛丼あるでしょ」
「そうそう、牛丼はね」
僕もこのことはアメリカから来た留学生の子のうちの一人から言われてそれで知っている。
「アメリカじゃダイエットフードなんだよね」
「そうよ」
「日本じゃカロリ―高いってね」
「そう思われてるわね」
「けれどアメリカではだね」
「ダイエットフードよ」
そうなるというのだ。
「すっきりとしたね」
「ヘルシーな」
「お米はお野菜だし」
アメリカではこのポシションだ、主食ではなくて。
「お野菜を沢山食べるね」
「ダイエットフードだね」
「味付けもすっきりの」
本当にそうしたポジションのだ。
「お料理よ」
「名前はビーフカップで」
「ヘルシー食品だから、私も牛丼好きだけれど」
「カロリ―高いと思うね」
「そう思うわ」
僕の予想通りの返事だった。
「牛丼はカロリ―高いでしょ」
「そうだよね、お肉も一杯乗ってるし」
「あれがダイエットフードだから」
「アメリカはどれだけってなるんだね」
「実際にね」
そうだというのだ。
「私はそう思うわ」
「そういうことだね」
「そうよ、まあ多少カロリーないと」
これはこれでだ。
「人間動けないしね」
「それはね」
「ええ、だからね」
「カロリーもね」
「必要よね、メイド部もカロリー使う部活だし」
「そうみたいだね」
「いつもランニングとか筋トレもするし」
文科系の部活だけれどだ。
「立ってばかりでものも運んで」
「体力勝負だね」
「しかもうち本気の部活だから」
「メイドさんについて」
「暴漢対策もやっててね」
「護身術もやってるんだよね」
「実は警棒持ってるのよ」
素手ではなかった。
「二段式の特殊ね、合気道も習ってて」
「そっちもなんだ」
「けれどメインは警棒で」
それでというのだ。
ページ上へ戻る