八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百三十八話 忘れられないものその七
「大きいんだよ」
「そうなのね、背が高いと」
テレサさんはこうも言った。
「いいわね」
「ああ、そのことも言うんだ」
「背はね」
テレサさんは眉を少し曇らせて僕に答えた。
「もう少しね」
「欲しいと思ってるんだ」
「あと五センチね」
それ位というのだ。
「欲しいと思ってるわ」
「テレサさん今背どれ位かな」
言ってて一六〇位かと思ったらこう返された。
「一六〇よ」
「今それ位かなって思ったよ」
まさにドンピシャだった。
「やっぱりそれ位なんだ」
「そうなの」
「それ位あったら」
女の子で一六〇だとだ。
「いいんじゃない?」
「普通だっていうの?」
「そう思ったけれど」
「私としてはもっとなの」
「背が欲しいんだ」
「そうなのよ」
それであと五センチというのだ。
「欲しいけれど」
「そうだったんだ」
「そろそろ背が止まる頃ね」
女の子ならというのだ。
「だからもう無理かしら」
「五センチだね」
「欲しいわ、日本の娘達って結構大きいし」
「そう?」
僕はそう思わなかったけれどテレサさんはこう言った。
「結構大きいじゃない」
「そうなんだ」
「大体一六〇位あって」
「それだけある娘もいるけれど」
僕からしてみればだ。
「そんなに大きい方じゃないと思うよ」
「いや、他の国の娘達と比べても普通じゃない」
「北欧の娘は大きいから」
「ああした場所の娘は目立つでしょ」
「だから別?」
「北欧とかドイツはね」
こうした場所の娘達はというのだ。
「男の人は特に大きいし」
「だからっていうんだ」
「そう、また別にして」
北欧やドイツの娘達はというのだ。
「結構普通にね」
「日本の女の子大きいんだ」
「男の子も大きい方よ」
「その自覚はないけれど」
「ひょっとして」
僕のその言葉を聞いてだ、テレサさんはこう返した。
「昔のことじゃないの?」
「昔の日本人の?」
「昔の日本人のこと言われて」
それでというのだ。
「日本人は小さいと思ってない?」
「そうかな」
言われると思いつくことがあって反論出来なかった、そういえばよくそんなことも聞いてきた。
「昔の日本人はってね」
「今は違うから」
テレサさんから見ればだ。
「一七〇が普通位でしょ」
「それ位かな」
「それ位だとね」
「小さくない、いや」
「大きい方でしょ」
「そうなのね」
「義和も背高い方でしょ」
僕にも言ってきた。
「一七〇は普通に超えてるし」
「一七五あるけれどね」
けれど高いとは思っていない、一八〇はないと背が高いとは言わないと自分で思っていてだ。
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