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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百三十八話 忘れられないものその六

「楽しみにしていてね」
「もうすぐよね」
「九月が過ぎてね」
 そしてだ。
「十月になったら」
「もうなのね」
「山の色が変わってるよ」
「紅葉ね」
「その色になるよ、山吹色も見られるし」
「山吹色っていうと」
 その色を聞いてだ、テレサさんはこんなことを言った。
「小判の色ね」
「時代劇?」
「賄賂で出るあれね」
「ああ、出るね確かに」
「あれは面白いわ」
 テレサさんは時代劇の話もした、顔が笑っている。
「時代劇チャンネル最高ね」
「お部屋で観てるんだ」
「そうなの、遠山の金さんとかね」
「ああ、あの時代劇だね」
「桜の刺青見せるじゃない」
 悪人共を成敗する時とその後のお白洲、この作品においてのクライマックスの場面においてだ。
「あれがいいのよ」
「よく観てるね」
「格好いいしね」
「うん、あの場面は確かにね」
「金さんも人によって違うし」
 テレサさんはこのことも言ってきた。
「桜吹雪の見せ方ね」
「ああ、あれはね」
「確かに違うね」
 よく見るとだ。
「杉良太郎さんと松方弘樹さんでも違って」
「高橋英樹さんでも」
 テレサさんはこの俳優さんを出してきた。
「違うわね」
「その人それぞれでね」
 本当にだ。
「違うからね」
「あれがまたいいのよ」
「それぞれ違うのが」
「味があって」
「そうなんだ」
「私的には松方弘樹さんが一番好きよ」
 あの人の桜吹雪の見せ方がというのだ。
「そうなのよ」
「格好いいから?」
「そう思わない?」
「確かにね」
 僕もそう思う、松方弘樹さんには独特の格好よさがある。ダンディズムと言うべきだろうか。
「あの人も恰好いいね」
「杉良太郎さんや高橋英樹さんも恰好いいけれど」
「松方さんは松方さんで」
「あの恰好よさが好きなの」
「あの人背も高いしね」
「あれっ、そうなの?」
「一八〇位あったよ、テレビの中で観るより大柄でね」
 一度実際にすれ違ったことがある、京都駅に行った時にだ。
「驚いたよ」
「一八〇もあるの」
「そうなんだ」
「それは大きいわね」
「うん、そのこともあってね」
「格好いいのね」
「そうだと思うよ、やっぱり背も必要だしね」
 特に特撮はそうだろうか、仮面ライダーとか戦隊の人はその松方弘樹さん並に大きい人が多い。
「時代劇にしても」
「背が高くないと見栄えしないのね」
「殺陣があるからね」
 つまりアクションシーンだ、特撮だとこの呼び名だ。
「背が高くないとね」
「見栄えがよくないのね」
「だからだと思うよ」
「松方弘樹さんも大きくて」
「他の人もね」
 松方弘樹さんに限らずだ。 
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