夢幻水滸伝
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第三十六話 長崎攻めその四
「そこからさらにあるしな」
「この世界を救うんやな」
「多分やけどな」
少し考える顔になってからだ、芥川は中里に話した。
「巨人が関係してるわ」
「時々出て来て暴れるっていうあの連中やな」
「最近日本には出て来てないけどな」
「ロシアとインドにやたら出て来てるらしいな」
「あの連中が関係してるって思てる」
芥川としてはというのだ。
「僕はな」
「そやろな、あの連中急に出て来て急に消えるんやな」
「災害みたいにな」
「何処から湧いて何処から消えるか」
それはというのだ。
「まだ一切わかってない」
「それでもやな」
「そんなけったいな連中が何もなくて出て来て暴れて消えるか」
「まずないな」
「そやろ、そやから僕はそう見てるんや」
「あの連中がこの世界を救うことに関係ある」
「そうな。しかも何で今はロシアとインドに集中的に出て来るか」
芥川は考える顔になりさらに話した。
「そこも不思議や」
「今氷帝と雷帝が無茶苦茶暴れてるんやったな」
「侵略に次ぐ侵略でな」
「とんでもない巨大な勢力築こうとしてるんやな」
「そや、この世界のユーラシア大陸で最大の勢力をや」
まさにそれをというのだ。
「築こうとしてる」
「太平洋の他の勢力とか欧州よりもか」
「アフリカよりもな、その連中のところにや」
「どんどん出て来てるんやな」
「誰かが意図的に出してるんちゃうか」
考える顔のその目を鋭くさせてだ、芥川はその読みを話した。
「僕はそう思てる」
「誰かがか」
「あんな災害みたいな連中を出せるな」
「召喚師かそれか巨人の神か」
「そういう奴がおってな」
そのうえでというのだ。
「こっちの世界にちょっかいかけてるんちゃうか」
「それが自分の読みか」
「他の世界からな」
「ほな他の世界の奴とか」
「戦うんかもな、けれどそうしたことは一切な」
「まだわかってないんやな」
「この世界ではな、出て来る巨人を片っ端から殺してる氷帝や雷帝もや」
その彼等もというのだ。
「多分やけどな」
「巨人のことは何もわかってないか」
「そやろな、この世界のどの賢者でもな」
「シンガポールのリーもか」
「あいつでもや」
四智星の中でも最高の知力と学識を持つと言われる彼でもというのだ。
「多分な」
「わかってないか」
「試しに今度元の世界であいつと巨人について話したらええ」
「それでもやな」
「あいつも知らん筈や」
「そうやねんな」
「正直僕等はこっちの世界でも知ってることは僅かや」
芥川はこの言葉は達観した様に行った。
「大海の中のな」
「匙一杯やな」
「それ位しか知らん」
「そんなもんやねんな」
「そや、所詮はな」
「それが人間ってもんやな」
「結局人間、こっちの世界では人やな」
様々な種族があるので一括りに言うとこうなるのだ。
「その人は所詮な」
「その程度の知識しかないか」
「誰でもな」
それが例えリーでもというのだ。
「そやからな」
「巨人のこともか」
「一切わかってないのもな」
それもというのだ。
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