八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百三十八話 忘れられないものその二
「一日をはじめる主義なの」
「だからなんだね」
「そう、朝からね」
「しっかりと沢山食べて」
「それで一日頑張るの」
こうした考えだというのだ。
「いつもね」
「いいことだね、朝はどうしてもね」
「食欲ないわよね」
「僕もね」
「結構朝から食べてない?」
「お昼や夜と比べると」
どうしてもだ。
「食欲ないんだ」
「そうなの」
「だからこう言ったんだ」
「そうだったのね」
「けれど三食はね」
朝昼晩とだ。
「しっかり食べてるよ」
「食べることは食べるのね」
「うん、幾ら食欲がなくても」
例えそうした時でもだ。
「食べる様にしているんだ」
「それはいいことね」
「さもないとね」
若し朝御飯を抜くとだ。
「お昼まで時間があって」
「お腹空くわね」
「そう、それにね」
それに加えてだ。
「午前中まともに動けないし」
「太るしね」
「朝御飯抜くとね」
お昼に食べた分を身体が無意識のうちに脂肪にしてしまってだ。脂肪率はその分増えてしまうのだ。
「そうなるから」
「だからよね」
「うん、朝はね」
例え食欲がなくてもダイエット中でもだ。
「食べた方がいいんだ」
「それは絶対よね」
「少しでもいいから」
例え御飯を普段の半分でもだ。
「食べるべきだよ」
「そういうことよね」
「だからいつも食べる様にしているんだ、親父もね」
「あの破天荒な」
「三食絶対に食べていたから」
このことは守っていた、あの親父も。
「絶対にね」
「そうだったのね」
「確かに夜遅くまで遊んでいてもね」
それで三時半とか四時に家に帰ってきたりもしていた。
「少しでも寝てちゃんと朝に起きて」
「それでなのね」
「朝御飯食べてたから」
「お父さんがお料理作ってたのよね」
「朝もね」
「そうだったの」
「目玉焼きとトーストとかね」
お袋が出て行ってからはいつもだった。
「そうしてくれてたよ」
「幾ら遊んでもなのね」
「ちゃんと寝てね」
それでだ。
「朝御飯食べてたよ」
「義和の分も作ってくれて」
「そうしてくれていたんだ」
「いいお父さんね」
「まあね」
そう言われるとだ。
「悪い親父ではないね」
「今も仕送りしてくれて」
「お給料貰ってるからいいって言ってるのに」
それでもだ。
「送ってくるよ、返してるけれど」
「使ってないの」
「だって一ヶ月に二十万以上だから」
八条荘の管理人としてのお給料だ、本家から出ている。
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