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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百三十八話 忘れられないものその一

           第百三十八話  忘れられないもの
 畑中さんと一緒に夜空を見てだ、僕はこの日は十二時までには寝た。そして起きた時にだった。
 外を見て曇りだったのでやれやれと思って一階にまで降りた、するとそこにイタワッチさんがいて僕に声をかけてきた。
「機嫌悪い?」
「悪いって程じゃないよ」
 僕位はイタワッチさんにこう返した。
「別にね」
「結構不機嫌な顔よ」
「だって起き抜けでね」
 それにだった。
「天気もよくないから」
「ああ、曇りだから」
「降りそうだからね」
 本当に今にもという天気だ、雲の色が暗灰色でしかもその層が厚い。
「だからね」
「それでなの」
「ちょっとね」 
 不機嫌とまではいかないけれどだ。
「いい気分じゃないよ」
「そうなのね、じゃあね」
「じゃあ?」
「そんな時は飛ばすことよ」
 笑って僕に言ってきた。
「いっちょね」
「バイクで?」
「そうそう」
 実際にバイクを動かす手つきをしてみせた。
「それか自転車で」
「そっちもやってるんだ」
「前から好きなの」
 自転車もというのだ。
「あっちでも結構乗ってたよ」
「インドネシアでも」
「そう、色々な場所を走るの」
 その自転車でというのだ。
「それがまたいいのよ」
「自転車も好きだったんだね」
「やっぱり乗るのが好きなのよ」
 二輪のものにというのだ。
「風切って走るのがね」
「だからなんだ」
「雨なら仕方ないけれど」
「まだ降らないなら」
「もう一気にね」
 それこそ朝からというのだ。
「かっ飛ぶ感じでね」
「自転車なりバイクで」
「とことん気が済むまで走ってシャワーよ」
「それですっきりするんだね」
「一日も明るくはじめられるよ」
「じゃあラブポーンさんも」
「いや、朝食べてね」
 それからという言葉だった。
「そう考えてるわ」
「そうなんだ、じゃあ」
「それから部活行くし」
 自転車かバイクで走ってからというのだ。
「すっきりしてまた楽しむのよ」
「本当にレーサーだね」
「そうでしょ、じゃあまずは」
「朝御飯だね」
「それね」
 何といってもという言葉だった。
「お腹が空いたらバイクも自転車も」
「動かせないからね」
「人間にもガソリンがないと」
 まさにバイクと同じくだ。
「動かないわよ」
「そうだね」
「だからね」
「これからだね」
「食べるわよ」
 笑って言うのだった。
「それも盛大にね」
「そういえばイタワッチさんは」 
 僕はここでこの娘のことを思い出した。
「朝から結構食べるね」
「朝御飯もしっかりとよ」
「食べるんだね」
「そうよ、食べてね」
 そしてというのだ。 
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