夢幻水滸伝
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第三十五話 筑後を抑えその十四
「そやからな」
「それでや、もっとうち等は休息取ってな」
「すぐに佐世保やな」
「そうしよな、佐世保占領したらあそこの港も使えるし」
「博多から船でもの送ってもらえるからな」
「それでや、まずはや」
「佐世保やな」
この街を占領しようというのだ。
「今後軍港としても使えるしな」
「佐世保はな」
「うち等の世界でも軍港やし」
明治時代からだ、今でも海上自衛隊の大きな港がある。
「あそこは是非手に入れたいな」
「ほんまにな」
「他の場所も占領してくけど」
具体的に言うと肥前の北だ、佐世保より北もというのだ。
「佐世保はな」
「本格的に占領していこな」
雅美の目は西、その佐世保を向いていた。
「そして長崎もや」
「ああ、長崎はやっぱり大きいわ」
瑠璃子の目はそちらを見ていた。
「あそこまで占領出来たら九州の北西はほぼ掌握出来てるしな」
「海も含めてな」
「是非占領すべきや、けどな」
「けど。何や?」
「それだけの要地を囮にしてるんやな、九州は」
瑠璃子は九州側の戦略、肥前や肥後を一時とはいえ囮にして東で関西の主力と決戦をしようという彼等の戦略を読み取ってこう言った。
「そやねんな」
「そうせなあかんってことやな」
「そこまで劣勢やねんな、九州は」
「結局のところは」
「そやな、うち等が上陸して拠点を築けた」
壇ノ浦、そしてその後の上陸戦に勝ってだ。
「それがやっぱり大きかったな」
「敵に攻める拠点築かせたら厄介ちゅうこっちゃな」
「特に島の場合は」
「そうしたことやな」
「そやな、ほな佐賀城を拠点にして」
敵にとっては実に忌々しいそれにしてというのだ。
「そのうえでな」
「攻めていこな、佐世保も長崎も」
「そうして天草も攻め取って」
「後は肥後や」
四人でこう話してだ、彼女達の軍勢は西に西にと進んでいった。佐賀城を実際に拠点としたうえで。
第三十五話 完
2017・9・24
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