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夢幻水滸伝

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第三十六話 長崎攻めその一

               第三十六話  長崎攻め
 四人から貝殻での連絡を受けてからだ、芥川は本陣において中里に満足している笑みでこう言った。
「西はええ感じでいってるみたいや」
「進撃出来てるんやな」
「そや」
 こう言うのだった。
「佐賀城占領して佐世保に向かってる」
「それで吉川もやな」
「西の方にも水軍動かしたわ」
 その艦艇達をというのだ。
「それで陸と海の両方からや」
「攻めていくか」
「戦は何処からでも攻める」
 攻めることが可能ならというのだ。
「そうしていくのが勝つ秘訣の一つや」
「その通りやな」
「空からも攻めてるしな」
 空船や空を飛べる種族によってだ。
「そうしてるさかいな」
「それでやな」
「そや、海からもや」
 その水軍を使ってだ。
「攻めてくで」
「そうするんやな」
「まあ海兵隊は今はおらんけどな」
 水軍にだ、その役目を担う玲子は今は彼等が率いる軍勢の先陣を率いている。
「それでも砲撃とか空から攻めるだけでな」
「全然ちゃうな」
「そやからええ」
「上陸せんでもやな」
「陸から攻める掩護を出来るからや」
「それはもう吉川が動いてるな」
「そや」
 それでというのだ。
「あいつはほんまこうした時に動いてくれるからな」
「自分からな」
「ええわ、ほなな」
「あっちも陸と海から攻めて」
「熊本城以外全部占領する」
 そうしてもらうというのだ、四人に。
「そうして僕等はや」
「もう豊前に入ったしな」
「豊後も占領してな」
「日向でやな」
「決戦や」
 九州の勢力と、というのだ。
「そうすればもう完全に滴は薩摩と大隅、それに琉球だけになってな」
「手詰まりになるな」
「そうなるからな」
「徹底抗戦か降るか」
「徹底抗戦でもや」
 例え彼等がその道を執ってもというのだ。
「決戦で徹底的に破ったらな」
「もう局地戦しかないな」
「ゲリラやったらな」
 その戦術ならばというのだ。
「僕の得意分野や」
「忍者やからやな」
「忍者はゲリラ戦にこそ真価を発揮するんや」
 そうしたものだとだ、芥川は中里に笑って応えた。
「そやな」
「ああ、その通りやな」
「忍んで影となって戦う」
「まさに忍者の分野やな」
「そやからや、薩摩と大隅で局地戦を挑むならな」 
 それならばというのだ。
「僕は思う存分相手したるわ」
「そして勝つか」
「それは向こうもわかってる、僕にゲリラ戦を挑むとな」
「自分の思う壺やな」
「そや」
 まさにその通りだというのだ。
「僕としても望むところやけどな」
「相手もそれはわかってるからか」
「まあせんやろ、ただそれはな」
「日向の戦で相手を徹底的に叩いたらやな」
「余力があったら薩摩、大隅でまた決戦や」 
 そうなるというのだ。
「連中も諦めん」
「そうなるか」
「そや、そやからはよ終わらせたいとな」
 そう思うならというのだ。 
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