レーヴァティン
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第三十六話 北の街その八
「それで領主さん達もそうさせるか」
「戦で邪魔にもなるでござるからな」
「そこは救いだな」
「よく悲劇が起こったでござる」
慎太は彼等の世界のことを話した。
「欧州や中国でもでござる」
「アラブやアメリカでもだよな」
「街は城でござるからな」
「南北戦争でも砲撃戦でな」
ゲティスバーグ攻略だ、この南軍の重要都市を北軍は徹底した銃撃と砲撃で攻略しその中で多くの市民が犠牲になった。
「えらいことになったっていうしな」
「市民がいると大変でござる」
「だからか」
「市民がいないことが救いでござる」
まさにというのだ。
「人がいないことが」
「そうだよな、しかし戦になると人は逃げてもな」
「街や村は焼かれるでござる」
そうなってしまうというのだ。
「若しくはボロボロになるでござる」
「被害が大きいのは変わらないか」
「そういうことでござる」
「それでこの島のあちこちで戦が行われてるか」
「拙者も何度か出陣したでござる」
騎士団にいた時はというのだ。
「そして多くの戦禍を見てきたでござる」
「戦が起こらない島にもしたいな」
「全くでござる」
「そうしたら島も今以上に栄えるしな」
平和になるからだ、平和で安定した社会が最も発展する社会であるのは何処でも同じことであろう。
「平和にしたいな」
「是非ね」
「ああ、じゃあそうしたことも考えていこうな」
「政治もね」
「そっちの方もな」
飲みつつこうした話もしてだった、一同は。
ウォッカを飲み終えてこの日は宿を決めてからその中で休んだ、そして数日の間この地域や六人目と思われる者の情報を集めたが。
サウナの中でだ、淳二は共に入っている仲間達に笑顔で話した。
「お互い色々わかったよね」
「ああ、今日もな」
久志がその淳二に答えた。
「よくわかったぜ」
「色々なことがね」
「この辺りのことも他の場所のこともな」
「そして六人目についてもね」
「やっぱりここは人が少なくてな」
久志はまずは場所のことから話した。
「そしてな」
「さらに北に行くとね」
「オーロラに白夜か」
「どっちもあるみたいだね」
「ここは俺達の世界で言う北欧だな」
「間違いないね」
「そう考えていいな、あとかなり大きな湖があって」
この北にはというのだ。
「それで湖の沿岸と流れる川には海賊がいるか」
「バイキングな」
今度は正が言ってきた。
「あの連中がいるってな」
「そうらしいな」
「時々ここにも来るらしいな」
このコペンハーゲンにもというのだ。
「主に交易にな」
「海賊でもこっちのバイキングは平和みたいだな」
「俺達の世界のバイキングよりもな」
「俺達の世界のバイキングも交易してたけれどな」
それでもだとだ、彼等は歴史にあるバイキングの話をしていった。
「略奪がメインだったからな」
「聞く限りな」
「こっちの世界もタチの悪い奴がいても」
「大抵の奴はそうじゃないみたいだな」
「交易に来ていて」
「比較的平和みたいだな」
「ただ、モンスターとの戦闘もあるのでかなり強いみたいですね」
順一は彼等の戦闘力の話をした。
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