夢幻水滸伝
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第三十二話 九州上陸その九
「そういうことなのよ」
「じゃあその八房とも一緒に」
「戦いましょう」
「わかったばい」
純奈は美鈴の言葉に笑顔で応えた、そしてだった。
九州の星達は戦う構えに入った、敵の数は確かに多く攻撃も激しい。だが彼等も彼等が率いる兵達も士気は全く落ちていない。
本陣において敵を迎え撃つ、その彼等にだった。
関西の軍勢は砲撃と術による攻撃を仕掛ける、その状況を見てだった。
中里は腕を組んでだ、冷静な顔で言った。
「ほなな」
「そろそろか」
「上陸仕掛けるか」
こう芥川に返した。
「そうしよか」
「ここまで決めた通りにやな」
「攻めるで」
「わかった、ほなな」
「そしてや」
さらに言う中里だった。
「僕も出る、そして」
「僕も出るわ」
芥川は中里ににやりと笑って答えた。
「そうするわ」
「そうか、今度はな」
「壇ノ浦の時とはまた状況がちゃう」
「今度は上陸戦がメインやからやな」
「そうするわ」
中里と共に出陣するというのだ。
「ここはな」
「ほなな」
「艦隊の指揮は任せろ」
吉川もここで二人に言う。
「このまま攻撃を続けるが」
「それでもやな」
「味方は巻き込まない」
その様にするというのだ。
「その場所は攻撃しない」
「そこはちゃうな」
「ロシアやインドは違う様だが」
「氷帝と雷帝はな」
「あの二人はそこは構わない」
攻撃すべき場所に自分達が率いる軍勢がいても容赦なく攻撃を仕掛けてしまうというのだ。
「後で生き返らせればいいと考えている」
「そういう問題か?」
「あの二人にとってはな」
「えげつないな、どっちも」
「それがあの二人だ」
まさにというのだ。
「そうした考えなのだ」
「色々突っ込みたいな」
「突っ込んでも気にしない」
「二人共か」
「そうだ」
吉川は中里に静かな口調で話した。
「そういうことだ」
「そうした考えの連中ってことか」
「生き返るからいいとな」
「確かに生き返るんやったらな」
「巻き添えにして死なせてもいいな」
「そうした考えにもなるか、けどな」
それでもとだ、中里は首を傾げさせつつ言った。
「何かちゃうな」
「そうした問題ではないな」
「ああ、味方巻き添えにするんは」
「幾ら戦術的にはその方が効果的な状況もあるだろうが」
「するもんちゃうわ」
「私もそう考えている」
吉川は中里に冷静な声で答えた。
「そうしたことは出来ない」
「味方まで撃つのはな」
「抵抗がある」
例え後で生き返させられてもだ。
「やはりな」
「そういうものやな」
「しかしあの二人は違う」
「必要とあればか」
「そうしたこともするししてきた」
実際にというのだ。
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