夢幻水滸伝
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第三十一話 神具同士の攻防その十二
「それでうちが勝つにはや」
「星の者達がだな」
「多く必要や」
この現実を話すのだった。
「そやから政で国力を高めて戦に強くなる為に」
「星の者を多くか」
「入れてくわ」
「人材で勝つか」
「要するにな、相手は数で来る。特に中国は桁違いの人口、アメリカは技術がある」
特にこの二国が問題だとだ、芥川は認識していた。
「あの連中に勝とうって思ったら」
「星で勝つしかないか」
「そうや、人材でな」
「だからか」
「出来る限りな」
その星の者達をというのだ。
「入れていくわ、日本に」
「そこまで考えているか」
「これでも先の先まで考えてるで」
日本統一からその先までというのだ。
「そしてもっと言えばな」
「先の先のか」
「さらに先もや」
そこまでというのだ。
「太平洋を統一してからもな」
「そこからもか」
「そや、考えてるわ」
「流石は軍師、しかも神星だけはあるな」
四智星の一人だけあるとだ、吉川は言った。
「見事なものだ」
「具体的なことはまた話す」
「その話を聞くことも楽しみにしている」
「ほなな、それではな」
「今からだな」
「頼むで」
今現在行われている海での戦をというのだ。
「この戦もな」
「任せろ、これでだ」
「勝てるな」
「間違いなくな」
艦隊の動きを観つつだ、吉川は芥川に話した。艦隊は彼の指揮の下見事なまでに統率の取れた動きを見せている。
「勝てる」
「正岡も織田もええ采配してるしな」
「あの二人は実際に戦うよりもな」
「政と戦の采配がええな」
「そちらだ」
そして正岡は商売も得意だ、このことは中原と同じだ。
「そうした方で強い」
「そやな」
「だからだ、この度もな」
「艦隊を率いてもらって正解やったな」
「充分に戦ってもらう」
「そういうことでな、それでな」
「完全にだ」
ここでと言った吉川だった。
「絶対射程圏内に入れた」
「敵をな」
「後はだ」
「総攻撃や」
「これで決める」
勝敗、それをというのだ。そして実際にだった。
吉川は軍勢に総攻撃を開始した、九州の船団は囲まれたうえで集中砲火を受けて次から次にと沈んでいく。
その状況を中里と闘いつつ観てだった、北原は呻く様にして言った。
「くっ、これは」
「危険です」
又吉はまだ船団の指揮に専念している、そうしつつ北原に言った。
「非常に」
「船がどんどん沈んでいくでごわすな」
見れば船が沈みそして船に乗り込んでいる兵達が次々に海に放り出されている。彼等にとって非常に危うい状況であるのは明らかだ。
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