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夢幻水滸伝

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第三十一話 神具同士の攻防その十一

「いいな」
「わかったぜよ」
「その様に」
「この戦必ず勝つ」
 その敵の船団を観つつ述べた。
「それを決める時だ」
「要は美鈴ちゃんやったんや」 
 芥川は吉川達のやり取りを見つつ笑みを浮かべた。
「戦自体のことではな」
「彼女の守りがだな」
「九州の船団をこっちからの攻撃から防いでたからな」
「だからだな」
「しかしな」
 それがというのだ。
「星同士の戦いに持ち込んできたんならな」
「こちらもそれに応じてか」
「そや、美鈴ちゃんにも星の奴を向けられた」
 芥川の今の言葉は笑みが入っていた。
「僕もここは艦橋から動けんかったけどな」
「しかしあの四人がいた」
「正直数合わせで雇ったとこあったけどな」
 芥川はかなり正直に言った、実は四人を雇ったのにはそうした意味があったのだ。この辺り綾乃とは違う。
「綾乃ちゃんは大事な仲間やって思ってるけれど」
「自分は違うな」
「仲間やとは思てるけどな」
 このこと自体は綾乃と同じではある。
「傭兵やしな」
「星の者も数が欲しい」
「そうした状況やからや」
 それでというのだ。
「雇ったけどな」
「それが当たったか」
「そや、よかったわ」
 今回美鈴にその彼女達を向けられてというのだ。
「星のモンは多くいるに越したことはない」
「自分のその考えが当たったな」
「幸いな、それで美鈴ちゃんに四人をぶつけられて」
「守りも弱まった」
「軍勢も星も数や」
「数があればか」
「結構以上にどうにか出来る」
 そうして有利に戦えるというのだ。
「最初からそう考えて四人雇ったけど」
「当たったな」
「いや、こうした場合も想定してた」
 賭けではない、芥川は吉川にこのことを強く言った。
「ちゃんとな」
「賭けはするものではない、か」
「一か八かやなくて確実に勝つ策を出す」
「それが軍師だな」
「そやからや」
 それ故にというのだ。
「あの四人についてもな」
「確実に勝てる策を用意する為にか」
「雇った」
「こういう場合もあると予想してか」
「決めた、まあ綾乃ちゃんが一番乗り気やったしな」
「自分は今一つな風ではあったな」
「ああ、あの性格やしな」
 四人共だ、この場合は。
「いい加減で何もすることないとすぐにぐうたらと遊びたすさかいな」
「その性格は確かに困るな」
「そうした連中やから数は必要やと思っても」
 それでもというのだ。
「どうかとも思ってた」
「そうだったな」
「ああ、ただ星の奴はとにかく必要や」
「戦でも政でもな」
「そやからこれからもどんどん集めてくで」
 こう吉川に話した。
「日本を統一して太平洋の他の勢力と戦う前にもな」
「連中と戦う為にか」
「日本は国力、特に人口で他の勢力に負けてる」
 それが実情だ、一国では統一すれば米中の次になるが他の勢力この場合はオセアニアと中南米諸国は多くの国の連合なのでその分国力が高いのだ。 
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