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夢幻水滸伝

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第三十一話 神具同士の攻防その十

「無敵なのですか」
「はい、そうです」
「一人一人も強いですけど」
「四人おれば無敵の連携」
「それが出来ますさかい」
「一応わかりました」 
 やはり純奈の返事は素気ない、今は。
「でははじめましょう」
「よし、行くで!」
「うち等の本領発揮や!」
「四人でも心は一つ!」
「一かける四やなくて四の二乗十六や!」
 その強さだと言ってだ、四人は美鈴に向かった。だが美鈴はその四人に素早く無数の式神の白い鳥達を放ち。
 彼等の嘴と爪で攻撃させつつだ、今度は冷静な声で言った。
「では私は二十の強さです」
「うっ、十六に対して」
「うち等のその強さに対してですか」
「二重の強さがある」
「そうきましたか」
「何なら四の三乗で六十四にもです」
 こうも言った。
「なってみせましょう」
「うう、これは手強いな」
「実際この式神めっちゃ鬱陶しいし」
「これで終わるとも思えんし」
「流石天の星やな」
「四人一度でも負けるつもりはありませんよ」
 鼠のその顔で言う、そして今度は烏の式神達を放ち彼等には一直線に飛ばして攻めさせる、四人はその美鈴の攻撃に戸惑いつつもそれでも戦いに入っていた。
 四人は苦戦していた、だが美鈴が彼女達との戦いに専念した為に船団全体を覆っていた幾重もの結界と風が弱まった。そして九州の星達の接舷戦術も。
 中里達の逆接舷で止まっていた、芥川はその状況を見て夏目に言った。
「今や」
「そうだな、敵の守りは弱まりだ」
「切り札も止まってる」
 その接舷してからの切り込みもというのだ。
「そうなっているからな」
「今ここでだな」
「敵の船団を囲んでや」
「一斉に砲撃を加え」
「そうして勝つで」
「わかった、それではだ」
 吉川は芥川の言葉を受けて応えた。
「右の正岡、左の織田にもだな」
「連絡をするか」
「そうする」
 吉川はすぐに彼等に連絡を入れて言った。
「今から敵の船団を囲む」
「そしてじゃのう」
「集中攻撃ですね」
「そうする、ここで敵を一斉に叩いてだ」
 そのうえでというのだ。
「瀬戸内は完全に掴むぞ」
「わかったぜよ」
 正岡は貝殻から笑って応えた。
「じゃあわしは右翼を率いてぜよ」
「敵の左と後ろの半分をだ」
「囲むぜよ」
「そして拙僧は」
 織田も言ってきた。
「艦隊の左翼をですね」
「動かしてもらう」
「そして正岡さんと対象的に」
「敵の右と後ろの半分だ」
「そちらを攻める」
「そうしてもらう」
 吉川もこう返した。 
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