夢幻水滸伝
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第三十一話 神具同士の攻防その九
夏目は同じ術で相殺した、そうして言った。
「陰陽術も使えるでおじゃるからな」
「あんたはそうだったね」
「神具の力、そして麿自身の授業の成果でおじゃる」
「星の奴は全ての術を身に着けられるばい」
「だからでおじゃる」
「おはんもだね」
「この通りでおじゃる」
陰陽術も身に着けているというのだ。
「どうでおじゃるか」
「見事と言っておくばい」
純奈は夏目を見据えて彼に言葉を返した。
「とても」
「そう言ってくれるでおじゃるか」
「けれどそれはうちもだからね」
「これで負けるつもりはないでおじゃるな」
「お坊さんの術はまだ学んでいないばいが」
それでもというのだ。
「陰陽術なら違うばい」
「ではその陰陽術も使って」
「おはんを倒すばい」
こう言ってだった、純奈は剣だけでなく陰陽術も使ってそのうえでだった。
夏目との一騎打ちを繰り広げた、関西と九州の星達は死闘に入っていた。そして彼等だけでなく。
例の四人もだ、美鈴の前にいてそのうえで言っていた。
「ほな今からいきますんで」
「四対一で」
「先輩、宜しゅう頼みます」
「相手してもらいます」
「相変わらず変なところで礼儀正しい娘達ですね」
美鈴は自分に言ってきた四人にやれやれといった顔で応えた。
「いい加減なのに」
「そういうところはしっかりしませんと」
最初に瑠璃子が美鈴に応えた。
「あきませんから」
「人としてですか」
「そうです、そやから挨拶させてもらいました」
「うち等これでも人の道は外してませんで」
由香も美鈴に話す。
「礼儀も守ってますしいじめもカツアゲもしません」
「そうしたこともですね」
「絶対に」
「いい加減でも人の道は踏み外したらあきません」
紗枝もそこは強く言う。
「お金の分は働きますし」
「それで挨拶もして」
「締めることは締めてるつもりです」
「部活も真面目にしてますし」
最後に雅が美鈴に言った。
「風紀委員長にはいい加減と言われていても」
「ああ、あの娘にですね」
「人の道だけは守ってますで」
「わかりました、それで挨拶の後」
美鈴はまた四人に返した。
「今からですね」
「はい、先輩の陰陽術を船団に仕掛けるのを邪魔してその守りを無効化させる為にも」
「今から勝負です」
「それがうち等の仕事ですさかい」
「やらせてもらいます」
「わかりました、ではです」
四人の言葉を正面から受けた、美鈴はそのうえで再び言った。
「これより勝負ですね」
「行きますで」
「先輩捕虜にしたら臨時報酬出るかもですし」
「お金の為にも」
「先輩と戦います」
四人はここでそれぞれポーズを付けた、そうしてドヤ顔で言った。
「スーパーカルテット見参!」
「四人おればまさに無敵!」
「左様ですか」
ドヤ顔の四人に対して今回の美鈴の返事はクールだった、彼女にとって意外な展開だったが正直どうでもよかったからだ。
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