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夢幻水滸伝

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第三十一話 神具同士の攻防その八

「こうしてでごわす」
「まあ並の奴やったらな」
「今頃はでごわすか」
「倒せてるわ」
 そうなっているというのだ。
「自分は確かに強い」
「この金棒も伊達ではないでごわす」
「そやな、しかしや」
 それでもと言ってだ、中里は。
 二刀の攻撃の勢いを速めた、そうして攻めつつ北原に言った。
「こっちもまだまだやるで」
「攻撃をしてでごわすか」
「倒したるわ、そしてや」
「九州自体をでごわすか」
「軍門に降す」
 こう宣言したのだった。
「絶対にな」
「ならおい達を倒してみるでごわす」
 北原は反撃に出た、今度は金棒を振ってそのうえで竜巻を出して中里を攻める。中里はその竜巻を。
 千鳥を上から下に唐竹割の要領で叩き切り相殺した、そうしてから北原にここでも不敵な笑みで告げた。
「そうしたるわ」
「ではでごわす」
「やろか」
「戦を」
 二人は大将同士の一騎打ちに入っていてそれはかなり激しいものだった、そしてその二人の横では。
 玲子と雪路が闘っていた、玲子は朱槍を激しく繰り出し。
 雪路はその槍の激しい突きをかわしつつカイザーナックルの一撃を放ってくる、そうしつつ玲子に言った。
「先輩、楽しいかい?」
「ああ、楽しいよ」
 玲子は雪路ににやりとして返した。
「何しろあたしは大不便者だからね」
「戦が一番好きだからだね」
「特にこうした戦がね」
 まさにというのだ。
「好きなんだよ、強い奴と闘うのがね」
「私もだよ」
 雪路もにやりと笑ってそのうえで言った。
「戦、それもね」
「強い奴とだね」
「やるのが大好きなんだよ」
「お互いそうだね」
「ああ、じゃあね」
「このままやるかい」
「楽しんでね」
 二人で話してそしてだった、激しい攻防を繰り返す。二人もまた激しい一騎打ちを繰り広げていて。
 夏目もだ、今は刀を抜いている純奈と艦首で闘っている、今はじりじりとした鍔競り合いに入っている。
 その鍔競り合いの中でだ、夏目は己のすぐ前に顔を置いていて睨んできている純奈の緑の顔を見て言った。
「その神具も見事でおじゃる」
「うちの彼方の腕もだね」
「そうでおじゃる、赤木柄でおじゃるな」
「そうたい」
 その通りだとだ、夏目は答えた。
「この刀は」
「名刀でおじゃるな」
「あんたのと同じたい」
「名刀と名刀の勝負でおじゃるな」
「うちは弓だけじゃないばい」
「刀もでおじゃるからこそ」
「こうして今も闘っているたい」
 そうしているというのだ。
「こうしているたい」
「そして勝つでおじゃるな」
「うちがたい」
「それは麿の言葉でおじゃるよ」
 こう不敵に言ってだ、ここでだった。
 夏目は目を光らせた、そのうえで周りに無数の風の刃を出した、僧侶の術の一つである。
 その刃を純奈に向けて飛ばした、だが。
 純奈は素早く跳び飲み風の刃をかわした、そのうえで。
 夏目に対して掌から火球を幾つも放った、武士は魔術師日本で言う陰陽師の術も使えるのだ。
 それで術を放った、だがその火球達を。 
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