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夢幻水滸伝

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第三十一話 神具同士の攻防その三

 その三笠の艦橋では中里が夏目と共に刀を振って出す衝撃波や雷で純奈が繰り出す矢の攻撃を防いでいた、しかし。
 その彼の横にだ、鵺が出て来て彼に行ってきた。
「健闘してるけどな」
「それでもか」
「足りん様になってきてるな」
「矢の勢いも凄いけどな」
 まさに連射だ、純奈の矢の放つ速さは並の者の十倍はあり中里も夏目も対処に追われて必死なのだ。
「何かこのままやと」
「他の奴の攻撃も加わる」
「そうなるな」
「そして他の星の奴はな」
 玲子達はというのだ。
「そろそろ接舷用意に入っててな」
「こっちには来られん」
「そして自分等もや」
 かく言う芥川達もというのだ。
「そろそろ行かなあかんやろ」
「よお読んでるな」
「そやから出て来たんや」
 鵺は今も必死に刃を振るっている中里に話した。
「ここにな」
「ということは」
「ここはわしに任せるんや」
「その音の息でか」
「代理でやったるわ」
「そうしてええんか」
「ええから出て来たんや」
 そうだったというのだ。
「そやからな」
「行ってええか」
「まさかずっとここで防ぐつもりやったんか」
「頃合い見て接舷に向かうつもりやったけどな」
「ほなそれが今や」
 その頃合いの時だというのだ。
「そやからな」
「今ここでか」
「行くんや、わしに任せてな」
「悪いな」
「ええええ、自分とわしの仲や」
 鵺は礼を言う中里に気さくに笑って返した。
「そやから気にするな」
「僕の神具やからか」
「そや、気にしたらあかん」
 こうしたことはというのだ。
「別にな」
「そういうことか」
「ほなな」
「ああ、今からやな」
「ここは任せて接舷に移る用意もするんや」
「暫く僕等と防いでか」
「接舷の時になったらわしがここを守る」
 鵺一匹でというのだ。
「そういうことでな」
「ああ、頼むで」
 こうした話をしてだ、そしてだった。
 鵺の力も加わりだった、そのうえで。
 中里と夏目は純奈の矢を防いでいた、北原はその状況を見て納得した顔になってこんなことを言った。
「やはり神星でごわすな」
「そうばい」
 撃つ純奈もそうだった。
「見事な力たい」
「おまんさあの弓を完全に防ぐとは」
「ちょっとやそっと以上じゃないばい」
「全くでごわす、しかし」
 それでもだ、北原はさらに話した。
「そろそろでごわす」
「棟梁にだね」
「雪路さあの攻撃も入るでごわす」
「任せてくれるかい?」
 その雪路が言ってきた、実に楽しそうに。
「私にも」
「無論おいもでごわす」
「三人でだね」
「仕掛けるでごわす」
 純奈に続いてというのだ。
「それでいいでごわすな」
「わかったよ、じゃあね」
「攻めるでごわすよ」
「そろそろです」
 ここでまた美鈴が言ってきた。 
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