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夢幻水滸伝

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第三十話 壇ノ浦の戦いその八

「水軍を指揮する方がね」
「性に合ってるね」
「そうなんだよ」
「流石水産科だけあるね」 
 雪路は笑って彼のあちらの世界での学科のことも話した。
「水軍の方がいいんだね」
「沖縄でもそうだしね」
 彼の故郷でもというのだ。
「家はね」
「魚屋だったっけ」
「釣り堀もやってるよ」
「そっちで暮らしてたね」
「のどかにね」
 そうしてとだ、又吉は雪路に笑って返した。
「そうして暮らしてるよ」
「私と大違いだね」
 カラーギャングの自分とはとだ、雪路は明るく笑ってこうも言った。
「不良のね」
「おはん不良か」
「そうだよ、カラーギャングだからね」
「授業もちゃんと出て手芸部でも真面目で成績も普通と聞いているでごわすが」
「それでもなんだよ、これが」
 雪路は自分達の棟梁である北原にもざっくばらんな態度で話した。
「私は不良でね」
「喧嘩をするでごわすか」
「売られた喧嘩はね」
「そうでごわすか」
「まあ自分から売ったりいじめとかカツアゲはしないからね」
 そうした人の道に反することはというのだ。
「絶対にね」
「傾いていても外道にはなるな」
 北原は雪路にここでこう告げた。
「そうでごわすな」
「ああ、関西の円地先輩の言葉だね」
「そうでごわすな」
「そうだよな」
 また言った雪路だった。
「突っ張っていてもね」
「人の道は守るでごわす」
「それは守ってるよ」
「そうばい、道は守るものばい」
 今度は純奈が言ってきた。
「うちも守っているばい」
「そうでごわすな、おんしも」
「そうばい、弓は心が出るばい」  
 その使う者のそれがというのだ。
「だからばい」
「心清らかにでごわすな」
「あるべきなんだよ、清らかでばい」
「強く」
「そうばい」
 まさにというのだ。
「そうあるべきばい」
「だからでごわすな」
「うちも外道にはならないばい」
 北原に確かな声で答えた。
「何があろうとも」
「その意気でごわすよ」
「心確かにばい」
「そして大きくでごわす」 
 北原は笑ってこうも言った。
「そうあるべきでごわす」
「清らかで大きく」
「そうあるべきでごわす」
「それが人たいね」
「そうでごわす、ではでごわす」
「今からだね」
「守りは山田さあに任せて」
 美鈴にというのだ。
「おいどん達はでごわす」
「一直線に突っ込んでだね」
「三笠に乗り込んででごわす」
 そうしてというのだ。
「一気に敵の星達を倒し」
「そのうえで」
 美鈴が軍師として応えた。
「戦に勝ち」
「関西との戦の流れを掴みましょう」
「まずは緒戦でごわすな」
「はい」
 その通りだとだ、美鈴は答えた。 
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