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夢幻水滸伝

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第二十九話 九州の星達その十二

 バーバリアンという大柄で怪力を誇る種族であり名前を石川雪路という。人霊星で職業はまさにカラーギャング、八条学園高等部一年G組の生徒でもある。
 その雪路は北原にだ、笑って言った。
「戦の時は任せて下さい」
「わかったでごわす、では」
「今よりです」
 今度は美鈴が応えた。
「近畿の軍勢に対して攻撃を仕掛けます」
「わかったでごわす」
「はい、しかしです」
「相手はわかっているでごわすな」
「吉川さんがいます」
 美鈴は北原に彼の名前を出して話した。
「ですから」
「海の動きは何でもごわす」
「彼は承知しています」
 その神具の力でだ。
「そして奇襲を仕掛けてもです」
「確実に把握していてでごわす」
「対策を用意してきます」
 相手の動きを完全に把握したうえでというのだ。
「海のことでしたら」
「まさに無敵の提督でごわすな」
「しかも数も装備もです」
 美鈴はそちらの話もした。
「彼等の方が上ですから」
「奇襲を仕掛けるならばでごわす」
 北原は己の正面に広がる海を見つつ美鈴に述べた。
「相手にわかっていてば話にもならないでごわす」
「そうです、見切られていれば」
「こちらが受ける傷は倍になるでごわす」
 奇襲が失敗したその時はというのだ。
「奇襲は諸刃の剣でごわす」
「その通りです」
「島津家の戦もそうだったでごわす」
 北原は彼の故郷の話もした。
「大友、龍造寺には勝ってきたでごわすが」
「どちらも奇襲によってです」
 相手をつり出しそうして伏兵で一気に攻める、そうして大友家も龍造寺家も倒し竜造寺家に至ってはその主である龍造寺隆信の首を獲られている。 
「勝っていますが」
「あれは危うい勝利だったでごわす」
 どちらも圧勝でがあったがだ。
「若し少しでもしくじっていれば」
「島津家は敗れていました」
「そうでごわす」
「ですから」
 それでとだ、美鈴は北原に言うのだった。
「ここはです」
「奇襲はしないでごわすな」
「正面からです」
 美鈴は北原にはっきりと言い切った。
「攻めてそうして」
「勝つべきでごわすな」
「数も装備も確かに大きく劣りますが」
 それでもというのだ。
「ここはあえてです」
「一気にでごわすな」
「攻めてです」
 そのうえでというのだ。
「敵艦に乗り込んでいき」
「倒していくべきでごわすな」
「特にです」
「敵の旗艦に」
「三笠にです」
 まさにこの船にというのだ。
「乗り込み」
「そうしてでごわすな」
「大将を降し」
「一気に勝負をつける」
「そうしましょう」
 こう北原に話すのだった。 
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