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夢幻水滸伝

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第二十九話 九州の星達その九

「そうするんや」
「そして身体を冷やしてやな」
「また湯舟に入ってな」
「汗をかいてな」
「酒を抜いてそしてや」
「必要ならまた水風呂に入る」
 これを繰り返すというのだ。
「そうすれば二日酔いなんか一発や」
「抜けてるか」
「そうなってるわ」
「二日酔いにはお風呂でおじゃる」
 夏目も狐の顔で言うのだった、彼も湯舟に入っている。
「すぐすっきりとなってでおじゃる」
「そしてやな」
「身体も奇麗になるでおじゃる」
「そのこともええな」
「そうでおじゃる」
 こう中里に話した。
「だからでおじゃる」
「二日酔いを完全に抜いてか」
「そしてでおじゃる」
「出港の際の細かい指揮やな」
「皆で当たるでおじゃるよ」
「そやな」
「今はお風呂に入るでおじゃるよ、そして」
 夏目はこうも言った。
「円地氏達もでおじゃる」
「今はやな」
「お風呂に入っているでおじゃるよ」
「あの四人と一緒にやな」
「そうしているでおじゃる、皆二日酔いでおじゃる」
 昨日の牡蠣料理の宴の結果だ、そうなっているというのだ。
「だからでおじゃる」
「あっちもお風呂に入ってか」
「そして身体を奇麗にしてでおじゃる」
「酒も抜いてか」
「すっきりとなってでおじゃる」
 そしてというのだ。
「指揮にあたれるでおじゃる」
「ほなそうするか」
「こうしてお風呂に入られるならでおじゃる」
「入ってやな」
「すっきりとなるべきでおじゃる」
「風呂はええからな」
「麻呂も大好きでおじゃるよ」
「成程な、あと自分やっぱり狐だけあって」
 湯舟の中の夏目の身体を見てだ、中里はこうも言った。
「結構毛があるな」
「それは当然でおじゃる」
「やっぱり狐人やからか」
「そうでおじゃるよ」
 こう中里に話すのだった。
「そしてでおじゃる」
「そして?」
「身体を洗う時でおじゃるが」
「石鹸を使って洗うにしてもか」
「毛並みの維持には気を使っているでおじゃる」
「そうやったんか」
「そうでおじゃるよ」
「狐人も大変やな」
「それは鬼もやろ」
 天狗の芥川が言ってきた。
「角の手入れとかあるやろ」
「こんなん別にな」
「何でもないか」
「ちょっとしたもんやからな」
 中里は自分の角を摩りつつ芥川に返した。
「別にな」
「気にならへんか」
「特にな」
 そうだというのだ。
「こっちはな、けど自分は翼があるやろ」
「それはな」
「そっちの手入れが大変やと」
「まあ慣れたらな」
「それ程でもないか」
「そや、天狗も翼人もな」
 天狗とは別の種族の話もした。
「もう慣れてでな」
「何とも思わん様になるか」
「そや」
 こう中里に答えた。 
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