八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百三十一話 梅酒その三
「駄目なのよね」
「人間の力なんてね」
「所詮小さいわよね」
それこそだ、僕達だけで何も出来ない。人間だけでここまで来られたかそしてこれからも歩いていけるのかわからない。
どうしてここまで文明を進歩させられて未来も発展していけるのか、そう考えると人間の小さな力では限界がある。
それでだ、ここまで来られたまでのことからも考えそのうえでラブポーンさんは僕にもダオさんにも話してくれた。
「御仏あってこそよ」
「人間の力にね」
「勿論人間の力があって」
必死に努力してだ。
「それに加えてね」
「さらにだね」
「御仏のお力があってね」
「人はこれまでやってこれたし」
「発展もしてよ」
「そしてこれからもね」
未来もとだ、僕は言った。
「発展していくね」
「そうなるわね」
「僕もそう思うよ」
「それで柿ピーも」
今僕達が食べているそれもだ。
「やっぱりね」
「そう、閃きをね」
「仏様が与えてくれてよね」
「出来たと思うよ」
「そうなるわね、九十九パーセントの努力と」
人間が手に入れるそれとだ。
「神様仏様が授けてくれる一パーセントの閃きね」
「この二つがあってね」
「何でも出来るんだよ」
「エジソンさんもそうだったのね」
「そうだと思うよ」
発明王と言われたこの人もだ、あとアメリカからの留学生の子に聞いたところメジャーの伝説の名選手であり同時その人間性のとんでもなさで知られているタイ=カップと親交があったらしい。偉人とされている人だけれどそうした人とも付き合いがあった。
「閃きがないと、って言った人だけど」
「まさにその人よね」
「九十九パーセントの努力とね」
それに加えてだ。
「それもないとって言ってたけれど」
「神様の閃きを受けて」
「発明が出来たんだ」
「そうなるわね」
「うん、エジソンさんもそうで」
僕はさらに言った。
「柿ピー作った人もキットカット作った人もね」
「たけのこの里やきのこの山を作った人も」
ダオさんはまた柿ピーを齧っていた、そのうえでの言葉だった。
「閃きがあったのね」
「そうだよ、それでだから」
僕もその柿ピーを見つつ話した。
「魔法じゃないよ」
「そうなのね」
「全てはそれまでの努力と閃きだよ」
この二つによる産物だ。
「柿ピーもね、それでその柿ピーをね」
「食べて」
「それで梅酒もね」
「飲むといいわね、いや日本酒や焼酎もいいけれど」
ダオさんの飲む調子もいい、結構なペースで飲んでいる。
「梅酒も美味しいわね」
「そうだよね」
「かなり飲めるわ、今日も楽しく飲むわ」
「いいわね、何かこの夏はね」
ラブポーンさんはすっかり酔っていた、お肌が褐色なので赤くなってそれでそこから酔いはわからないけれど顔に出ていた。
「かなり飲んでいるわね」
「そうよね」
「日本酒もワインもね」
「そしてこの梅酒もね」
「ビールもね」
「何でもね」
あらゆるお酒をというのだ。
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