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夢幻水滸伝

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第二十九話 九州の星達その六

「毎日となるとでおじゃるよ」
「あたしは戦がないと毎日休みだよ」
「というか他の遊びせんかい」
 芥川は笑って話す玲子にやれやれという顔で返した。
「そうしたお店以外にもな」
「そうだね、後は喧嘩とか博打とかね」
「どっちも程々にすることやな」
「政をしないと本当に暇だね」
 それが玲子の日常だというのだ。
「それでそうしたことばかりだけれどね」
「そうした店に酒に風呂に喧嘩に博打か」
「実際にね」
「楽器でも奏でておくんやな」
 これが芥川の出した解決案だった、玲子のそうした日常についての。
「そうしたら全然ちゃうわ」
「楽器だね」
「笛だの琵琶だの琴だのな」
「いいね、あたし賑やかなの好きだしね」
「酒ばっかりの生活はやっぱりよくないわ」
「健康にだね」
「そや、そこはあらためえてな」
「遊べってことか」
「そや、しかし自分ほんま政はか」
「全然だよ」
 資質がないうえに興味もないというのだ。
「どうしてもね」
「そやねんな」
「あたしは根っからの傾奇者だからね」
「それでもある意味凄いな」
「ははは、大不便者だね」
「そうは言わんけどな」
 しかし玲子のその政の資質のなさはある意味において相当なものだと思うのだった、そうした話をしながらだった。
 一同は飲んでいた、そしてだった。
 牡蠣をさらに食べていった、その牡蠣を食べてだった。
 中里はまだた、生牡蠣を食べて言った。
「紅葉おろしとぽん酢を付けて食べるとな」
「ええな」
 芥川もその食べ方をしつつ言う。
「これは」
「ほんまやな」
「最高やわ」
「幾らでも食べられる感じやな」
「実際百個食えるな」
「他の料理の牡蠣も食べてるしな」
「これはいけるわ」
 百個というのだ。
「実際に」
「昔ビスマルクがそれ位食ったらしいな」
「ああ、ドイツの鉄血宰相か」
「牡蠣をか」
「生牡蠣をな、百個な」
 それこそというのだ。
「食ったらしい」
「大食漢やったんやな」
「他にもゆで卵十数個とかな」
「それも凄いな」
「何しろ百九十以上の背丈、体重百キロ以上の大男でな」
「食べる量も多くてか」
「牡蠣もそれだけ食ってたらしい」
 百個以上食べたというのだ。
「とにかく無類の大食漢やったそうや」
「そこまでか」
「シャンパンも飲んでな」
「酒はそっちやったんか」
「そや、これな」
 芥川はここでそのシャンパンを出した、しっかりとガラスのグラスに入っていて泡も見える。
「ビスマルクはフランスのこっち派やったらしいわ」
「ドイツ人でもか」
「ああ、偏狭なナシュナリストやなくてな」
「舌は別とかか」
「そうした考えの持ち主やったらしいわ」
「それでシャンパンもか」
「そや、飲んでたんや」
 ドイツのこうしたワイン、つまりスパークリングワインを飲んでまずいと言った逸話も残っている。
「フランスのな」
「それでそのシャンパンはあれやな」
「日本産や」
「こっちの世界ならではやな」
「室町でもワインを造っててな」
「シャンパンも造ってるんやな」
「そや、飲むか」
 芥川は中里に笑顔でそのシャンパン、スパークリングワインを勧めた。 
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