| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十九話 九州の星達その四

「新鮮でな」
「フライにしてもな」
「牡蠣はフライもええからな」
「生でも蒸しても少し焼いてもな」
「それでな」
「こうしてフライにしてもええな」
「定番やな、あと唐揚げもな」
 見れば芥川は唐揚げを食べている、飲んでいるのはビールだった。この世界の日本にもこの酒があるのだ。
「ええやろ」
「ほんまにな」
「僕も牡蠣フライ好きや」
 実際にというのだ。
「また後で食べるわ」
「そうするか」
「ああ、十個は食うで」
「十個で終わるか?」
「最低でな、それでな」
「酒もやな」
「どんどん飲むで」
「酒がない牡蠣なぞ何でもない」
 吉川も言ってきた。
「どんな酒でもな」
「牡蠣にはか」
「酒だ」
 こう中里にも言う、そして焼酎を飲むのだった。
「こうしてな」
「焼酎か、自分は」
「今はな」
「そういえば自分も結構酒好きやな」
「こちらの世界では毎晩飲んでいる」
「毎晩か」
「飲まない日はない」
 言いつつ笑みを浮かべまた飲む。
「こうしてな」
「成程な」
「そして酒は冷えたのが好きだ」
 見れば吉川の杯の中には氷がある、ガラスの杯の中にオンザロックの焼酎があってそれを飲んでいるのだ。
「冬でもな」
「それが自分の好みか」
「酒はな」
 そうだというのだ。
「こうしてな」
「冷えた酒をどんどん飲んでくんか」
「毎晩な」
「というか自分も酒好きか」
「そして最後はプティングだ」
「デザートはそれか」
「若しくはプリンだ」
 プティングとプリンは似ているが違う、そうした主張もした。
「最後はそれだ」
「飲んでもデザートは欠かせんか」
「日本酒を飲んでいてもな」
 どうしてもというのだ。
「最後はどちらかだ」
「プティングかプリンか」
「どちらかだ」
「食べてか」
「それで終わる」
「甘いものも好きか」
「ケーキもな」
 吉川は牡蠣の酒蒸しをオンザロックの焼酎と共に楽しみつつ中里に彼の舌の好みのことを話してきた。
「そして饅頭もだ」
「何か酒飲んで甘いのも好きなの多いな」
「星の者ではな」
「この連中とかな」
 中里は今度は傭兵の四人を見た、見ればこの面々が一番飲み食いが激しい。貪る様にそうしている。
「特にそうやしな」
「そうだな、確かにな」
「何か飲むみたいに食ってるな」
 牡蠣をというのだ。
「どんだけ食うねん」
「食べられるだけです」
「それだけです」
「飲むのも飲めるだけ」
「とことんです」
 四人は中里にいつもの調子で返した、その間も飲み食いの手は止まらない。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧