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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第2章融合世界!昭和ライダー
  第33話『新エネルギーを守れ/欠ける生徒会』

仮面ライダーストロンガー、城茂は自ら進んで改造手術を受けて電気人間となり、日本の平和と正義を守るため、世界征服を狙う悪の組織ブラックサタンを倒すべく、敢然と立ち上がった─

「コウモリ奇っ怪人、北海道で新エネルギーが開発された。お前には、その新エネルギーの奪取をしてほしい。頼めるな?」
「勿論です、1つ目タイタン様!」
悪の秘密結社ブラックサタンの基地。幹部の1つ目タイタンは部下のコウモリ奇っ怪人に指示を出していた。
「コウモリ奇っ怪人、仮面ライダーストロンガー、そして未来から来た仮面ライダー、ディロードには気をつけるのだ。」
1つ目タイタンはコウモリ奇っ怪人に念を押していた。

「詳しい話は後でフェイトにメールで送るから、フェイトはみんなにこの世界のことを伝えてほしい。僕のこの世界での役目は、碧陽学園の生徒会役員。すぐ行かないと遅刻じゃ済まない。行ってくる。」
雅は慌てて出て行った。
「それにしても、今回の雅さんは慌ただしかったな。」
雅を見送った圭一は言う。
「まあ、普通じゃないかな?私も、本局から仕事が来るとあんな感じだし。」
フェイトは圭一にそう言った。

「よし、間に合った。」
雅は教室で授業を受けていた。
昼休みになり、雅はフェイトにメールを送る。

「雅からメールが来たから、説明するよ。」
フェイトは圭一達に確認をとる。
「ストロンガーの世界は、七人目の仮面ライダーの世界で、一度はこの世界で仮面ライダーの世界は止まっちゃうんだって。」
「ああ。俺も見た事があるのはスカイライダーからだし、それは分かっている。それで、雅さんが今いる世界は?」
「その、『生徒会の一存』って世界は、本当に平和で何も変わった事がない日常が続く世界だって。」
「なら、どうして雅は慌ただしく出て行ったのかしら?生徒会がとか言っていたけど。」
「梨花ちゃん。生徒会っていうのは、学校行事の実行や部活動の資金や器材の了承とかを行うところで、生徒の不満とかを解消したりする場所でもあるんだ。ところでフェイトちゃん、なんでこんなに寒いの?」
「ええとね、ここは北海道なんだって。」
「ええぇーっ!どおりで寒いわけだ!」
フェイトの説明を聞き圭一が驚く。
「それで、帰ってくるのは夜になるから、お昼はみんなで適当に食べてくれって。一応、まだ資金は300万くらい残っているから、外食でもいいって。」
「マジで?どこへ食べに行こうか?」
圭一が言うと、
「駄目だよ圭一。お金は出来る限り使い控えないと。雅、あとで鴻上さんに返済するつもりなんだよ。」
フェイトが説明する。
「そっか。じゃあ、スーパーでお弁当でも買うか。」
結局、そう結論が出てフェイト達は買い物に出た。

授業が終わり、雅はこの世界の役目である碧陽学園生徒会の書記としての活動を始める。
「みんな、杉崎がいないんだよ!」
生徒会室で、一番背の低い女子生徒、生徒会会長の桜野くりむははしゃいでいた。
「ああ、だから今日の活動は中止だろ?」
「そうね。いくら議事録をとっていると言っても、役員が欠けた中での議題の解決は、運営に問題があるものね?」
副会長で主人公、杉崎鍵の同級生である椎名深夏は興味無さそうな態度を取り、書記でくりむのクラスメイトである紅葉
知弦は理由をつけて説明していた。
「でも、考えてみようよ。杉崎がいないんだよ。普段の会議を邪魔する杉崎が、今日はいないんだよ!」
「けどさ、会議を滅茶苦茶にしているのは、会長さんも同じじゃないか?」
「私のどこがよ!」
「まず、鍵の無駄話に一番付き合っているし。」
「それに、アカちゃん自身で話を脱線させているときもあるわよね?」
「うっ、それは…」
深夏と知弦の指摘にくりむは返す言葉も無かったが、
「そもそも、真冬よりもちまちました会長さんがばたばたしても、杉崎先輩は微笑ましく思って遊ぶことを優先するに決まっていると、真冬は思います。」
「真冬ちゃん、それどういう意味?」
深夏の妹で会計の真冬の言葉にくりむは食いついた。
「それで、会議するんじゃないの?」
その様子を見て知弦は呆れていた。
「そうだ、会議!」
くりむはそう言うとホワイトボードに書き始めるが、会議を漢字で書けずに指摘される。
「それなら、学園内で話題が挙がっているアルバイトのことなどどうでしょう。それくらいの議題ならどこまでが許可範囲か議論する程度で終わる内容ですし。」
雅はくりむを納得させるように提案する。
「そうね、それで行きましょう!」
くりむは納得した。
「会長さんは、アルバイトなんてしたことないだろ?」
「あるわよ!保育園で!」
「子供が子供の面倒を看るなんて、画期的な保育園ね。」
「それ以前に法律的にどうでしょうか、紅葉書記。」
「別に、普通の保育園よ!一緒に歌って、一緒におやつを食べて、一緒にお昼寝して。先生は褒めてくれたよ?私、出来る女よね?」
「それは…」
雅は呆れていた。
「深夏は力仕事?」
「短絡的過ぎだろ。喧嘩の助っ人だよ。」
「誰かを殴るの?それは流石に…」
「違う違う。誰かが争っていたらそこら辺の岩を粉砕して解散させるんだ。」
「それはそれでどうかと思うけど…」
「知弦は?」
「私は、経営アドバイスや教育改革とか。別に校則に違反しているとは思えないけど。」
「そもそも法律に抵触しています。」
「あとは浮気調査ね。」
知弦が言うと、
「「探偵かっ!」」
くりむと深夏がツッコミを入れる。
「真冬ちゃんは、バイトしていないよね?」
「真冬ですか?していますよ、ブログのアフィリエイトですが…最近では、真冬の日常を載せつつもゲームやBLの広告を載せた『内臓破裂』というブログがメインです。」
「それは、流石にタイトルに問題が…」
雅がツッコミを的確に入れていると、
「てゆうか、凪風はさっきからツッコミを入れてばかりで話していないじゃん!」
「僕ですか?ボランティア活動を行っていまして、アルバイトはしていません。」
「おいおい雅、ボランティア活動なんてしていたのかよ!」
「はい。」
雅の言葉で会議は終わる。
「どうだ!鍵抜きで会議を行ったぞ!」
「でもなんだろ。すごい疲れた。」
「普通、キー君はそれだけしゃべっているってことね。意味も無い事も含めて。」
「雑務もありますのに…」
真冬の言葉でくりむ達は閃き、雑務を始めた。

一日の雑務が終わる頃、日は落ち始めて夕暮れになっていた。
「ようやく終わった…」
くりむは伸びていた。
「あいつ、これ全部一人でやっていたのか…」
「それは、杉崎が一人でやるって言うから!」
「それだけ、私達との時間が大事なのね。それが終わってバイトもして…」
「勉強をして…」
「ギャルゲもやって…」
くりむ達がしんみりしていると、
「今から、杉崎先輩のお見舞いに行きませんか?」
真冬が提案する。
「真冬、お前男が嫌いなんじゃ!」
「でも…」
「きっと、ギャルゲの山でいっぱいかも!」
「でも…」
「男のひとり暮らしでしょ?もしかしたらキノコとか生えていたりするかもしれないわよ?」
「でも…」
「せっかく、普段率先して誰かのために頑張ろうとしない椎名会計が勇気を振り絞ったんです。行きませんか?」
雅が諭すと、納得した。

生徒会一同は買い物を済ませて歩いていると、2人組の高校生に絡まれる。
「君達、碧陽の生徒だよね?今からカラオケ行かない?」
男のうち一人が言うと、
「お姉ちゃん…」
真冬は深夏の後ろに隠れる。
「おいおい、そんなに怯えないで。」
男がそう言うと、
「私達は碧陽の生徒会。今すぐ貴方達の学校へ電話しましょうか?」
知弦が対応する。
「生徒会!ってことは、杉崎のことは知っているよな?あいつ、ずっと成績最下位だったのに、馬鹿みたいだよな。そうそう、気をつけろよ。あいつ、中学時代に二股かけて、精神的に追い詰めるような奴だぜ。しかも、一人は義理の妹だぜ?気をつけなよ、あいつ、変態だから。」
男はくりむの頭を撫でようとするが、くりむはその手を払う。
「知っている。女の子にだらしないし、会議そっちのけにするし、事あるごとにハーレムハーレム煩いし、ウザいし、馬鹿だし、全人類の敵だよ?でも、あいつは言ったんだ。その2人は幸せかって質問に、はいって言ったんだよ。」
「何?あいつの味方するの?きっと、壊されちゃうよ。」
男はくりむの目線に合わせて頭を撫で回している。すると、
ゴッ!
鈍い音がした。真冬が鞄で男の頭を叩いた。普段から複数のゲームが入っている為、重い鞄で殴られた男はよろめく。
「ふざけるな。痛ぇだろうが!」
男は真冬を叩こうとするが、その手は深夏に抑えられていた。
「私の妹に、手を出すな…」
「椎名副会長、この2人は僕に任せて下さい。会長達は、杉崎副会長の所へ!」
雅は男を抑えて、くりむ達を先へ進ませる。
「お前達、男らしく無いな。ハッ!」
雅は拳を一発ずつ放ち、その場を離れる。すると、碧陽学園の新聞部部長、藤堂リリシアが男達の前に現れる。
「あら?どうかしましたか?」
「お前も碧陽の生徒か?」
「新聞部部長、藤堂リリシアでございます。」
「新聞部?実は、お前の所の生徒会の奴らに暴力を振るわれて、この様だよ。」
「そうですか?これはスクープですわね。碧陽学園生徒会、今日もだらだら何もせず。」
「てめえ!」
男は手を挙げようとするが、リリシアが抱えていた猫が邪魔をした。
「ご生憎様、我が新聞部は生徒会の記事をでっち上げるのが仕事でして。それでは、ごきげんよう。」
リリシアはそう言って去っていった。

その頃、雅はストロンガーに変身する城茂と落ち合っていた。
「さて、奴を倒しに行くか!」
研究所に入るコウモリ奇っ怪人に茂は石を投げつけた。
「貴様らは!」
コウモリ奇っ怪人は驚く。
「行こうか、雅。変ん~身、ストロンガー!」
茂は両手のコイルを発電させて改造電気人間、仮面ライダーストロンガーに変身する。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅もディロードに変身する。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ。聞け!俺は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!」
「仮面ライダーディロード!」
ストロンガーとディロードは名乗る。
「今は貴様らにかまっている暇は無い!」
コウモリ奇っ怪人は逃げようとするが、
「ストロンガーマグネット!」
ストロンガーは自身の電磁回路を使ってコウモリ奇っ怪人を引き寄せる。
「城さん、コウモリ奇っ怪人の相手は任せて下さい!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER STRANGER-】
ディロードはストロンガーの世界のワールドホープを発動。すると、ライドカードケースからショックのアタックライドが飛び出す。
「これを使えばいいのか。」
【ATTACK RIDE-SHOCK-】
すると、本来は右手にしか宿らないショックの電撃エネルギーがディロードの体全体に宿る。
「これならいける!ディロードボルテックスパンチ!」
身動きの取れないコウモリ奇っ怪人を相手にディロードは電撃エネルギーを帯びたパンチを繰り出して、コウモリ奇っ怪人の翼を破壊する。
「城さん、一気に決めましょう!」
【WORLD ATTACK RIDE-KAMEN RIDER STRANGER-】
ディロードはストロンガーの世界のワールドアタックライドを発動。コウモリ奇っ怪人はストロンガーから離れ、逃げようとするが、
「逃がさん!行くぞ、雅!」
「はい!」
ストロンガーとディロードはジャンプする。
「「ダブルライダー、電キック!」」
ストロンガーとディロードは互いの電撃エネルギーを頂点まで高めたキックをコウモリ奇っ怪人に放ち、コウモリ奇っ怪人を撃破する。
「城さん、こんな見ず知らずの子供の話を聞いていただき、ありがとうございました。」
「何、立花のオヤジが言っていた奴だ。任せられるだろう。雅、お前はこれから別の世界へ行くんだろう?」
「はい。長居も出来ませんので。」
「そうか。頑張れよ!」
茂と雅は変身を解除し、別れていった。

「次は、やはりスカイライダーの世界か。」
絵巻には、空を飛ぶ深緑の戦士の絵と、桜才学園と書かれた校門に立つ四人の生徒の絵が描かれていた。
つづく

次回、仮面ライダーディロード
次の世界は雅にとって一番苦痛と呼ぶべき世界と融合していた。次回『打倒ヤモリジン/イキヌキも必要だ』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーストロンガー(ワールドホープ):ストロンガーの世界のワールドホープ。ショックのアタックライドの効果が全身に宿る。
仮面ライダーストロンガー(ワールドアタックライド):ストロンガーの世界のワールドアタックライド。互いの電撃エネルギーを相互上昇させてダブルキックを放つ。 
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