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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第2章融合世界!昭和ライダー
  第34話『打倒ヤモリジン/イキヌキも必要だ』

仮面ライダー、筑波洋は改造人間である。人類の自由のために悪の秘密結社ネオショッカーと戦うのだ─

「スカイライダーの世界と融合したのはこの世界か…」
早朝、雅はいつになくやる気を失っていた。
「どうしたの?雅らしく無い。」
フェイトは、偶然にも早く起きていたため雅の言葉を聞き、雅に話し掛けた。
「実は、スカイライダーの世界と融合した世界、『生徒会役員共』の世界は、僕にとってすごく会話し辛い世界なんだ…」
「何か、いやな事でもあったの?」
「これは僕の方に責任があるんだけど、あの世界の主要な人達は、ごく一部を除いて大体だ下品な会話にもっていくんだ。」
「下品な会話って?」
「こんなことを女の子であるフェイトに話したくはないけれど、俗に言う下ネタって言われるやつだ。」
そう、雅は下ネタが大の苦手、というよりはそう接してくる人が怖いのだ。
「どうして?私も学校に行っているときにクラスの男の子達は普通に話していたよ。」
「フェイトはわかっていない。男子よりも、女子の方がそういうのを話していて、その空間にいる辛さが。」
ディロードになる前の雅は、学校で虐めにあっていたが、当然、性的な虐めも多かった。雅にとっては、人前で下ネタを話す人に対して、もはや拒絶反応を起こすようになっていた。
「そんなに酷いの?」
「ああ。フェイト達の情操教育を考えればみんなを彼女たちには会わせられない。彼女たちは、相手が子供だろうとお構いなしだから。」
「そうなんだ…」
「それでも、僕はその中に行かないといけない。そろそろ行ってくる。フェイト達はいつものように待機してくれ。」
「わかった。」
雅は桜才学園の制服を着て学園に向かった。

桜才学園は作中において、主人公が入学する年に共学化した元女子高で、男女の比率が1:18といった割合になっている。
「さて、あとは彼女たちにバレないように…」
雅は声を極端に小さくして呟き、校門を通り抜けるが、
「そこの男子、待ちなさい!」
黒髪の綺麗な生徒会長、天草シノが雅に声をかけた。
「僕のことでしょうか?」
「ああ。制服の一番上のボタンが外れている。それは立派な校則違反だ。」
シノは雅に注意するが、
「シノちゃん、もしかしたらあえて着崩してプチ露出の入り口に立とうとしているのかもしれないよ。」
シノと同学年で書記の七条アリアがシノにそう言うと、
「そうか。なら問題ないな。行っていいぞ。」
シノは雅を離し、雅はシノ達から逃げるように玄関へ向かうが、走りながらであったため、何かにぶつかるが、その正体は会計の萩村スズであった。
「あんた、少しは前を見なさいよ!」
「済みません。しかし、あの人達が怖くてすぐ教室へ向かおうとしていまして。」
「会長達がどうかしたの?」
「僕が慌てていてボタンが外れているのに気づいていなかったのを露出の始まりみたいに言いまして。」
「またいつものね。気にしないで大丈夫よ。」
「そうでしょうか?」
「会長達には、あとで言っておくわ。」
雅とスズが会話していると、
「私達のことは避けるようにしているが、萩村のことは平気なようだな。」
「シノちゃん、きっと彼はロリコンさんなのよ。」
シノとアリアの話し声が聞こえると、雅は怯えるように玄関の中へ消えていった。
「あいつに何かしたのですか?」
「いや、特に何もしていないが。」
シノの言葉を聞き、スズは不思議そうにしていた。

一限目が終わり、『生徒会役員共』の主人公、津田タカトシが雅の前にやってくる。
「凪風、今朝はどうした?なんか酷く怯えていたけど。」
「副会長、会長と書記のあの下ネタ、どうにかなりませんか?本人達は楽しくてやっているのかもしれませんが、僕は怖いのです。」
「まあ、いつものことだし。」
「僕、ああいった虐めを受けて対人恐怖症を患ったことがあるのです。」
「そうだったんだ…会長達には、後で言っておくよ。」
「ありがとうございます。」
津田と雅の会話を、シノとアリアは観ていた。

放課後になり、雅は生徒会室に呼ばれていた。
「─というわけで、凪風は普段のような会話をしている会長達が怖いんです。だから、せめて凪風にそういった話を振らないでもらえませんか?」
「なるほどな。津田の話はよくわかった。凪風の前でディープなネタを言わなければいいのだな。」
「行動はもっと駄目ですからね。」
津田が念を押すとシノはふて腐れた顔をする中、
「それにしても、珍しいわね。津田以外にまともな男子がいるなんて。」
「僕の方こそ、普通な人がいて助かりました。」
雅もスズも、互いに頭脳明晰であるため、話が盛り上がっている。すると、
「スズちゃんをお話しが出来るのって、雅君はやっぱりロリコンなのかしら?」
アリアがそんなことを言う。
「誰がロリじゃーーー!」
スズはキレてそう言い、
「もう限界だ。もういやだ。この学校にいたくない!」
雅は出て行ってしまう。
「あら、どうしたのかしら?」
しかし、そんな発言をしたアリア自身はあっけらかんとしていた。
「もしかして、自覚がなかったんですか!」
津田は驚く。
「タカトシ君、どうしたの?」
「さっき凪風にそういった話はしないで下さいと言ったばかりじゃないですか!」
「えぇ?ただのジョークじゃない?」
「なら余計タチが悪いですよ!もし凪風が不登校とかになったらどうするんですか?」
「アリア、確かに、これは津田の言うとおりだ。明日、みんなで今日のことを謝ろう。」
シノは津田の肩を持った。 

桜才学園を出た雅はスカイライダーに変身する青年、筑波洋と出会っていた。
「初めまして筑波さん。いえ、仮面ライダー。」
「何故そのことを!まさか、ネオショッカーの怪人か!」
筑波は身構えるが、
「違います。僕はネオショッカーを追ってここまで来て、筑波さんの協力を仰ぎたくて来ました。」
雅は事情を話す。
「そうだったのか。それで、何故君のような子供がネオショッカーを追っているんだ?」
「実は、僕は未来から来た者でして、仮面ライダーディロードをやらせてもらっています。」
「仮面ライダーディロード?」
「はい。」
雅はディロードライバーを装着する。
「それは?」
「これが、僕を仮面ライダーに変身させるものです。」
「それが…」
筑波はディロードライバーに触れようとするが、
「触らないで下さい!」
「どうした?」
「これは、僕とパートナーの一人以外が触れると、半径200mを更地にする爆発が起こります。」
「どうしてそんなものを。」
「それが、僕の手にしたものだからです。話がそれましたが、僕はゼネラルモンスターを追ってここまで来ました。」
「本当かっ!実は、明日ゼネラルモンスターと決着をつけるんだ。」
「そうですか。もしよろしければ、その戦いに僕を参加させて下さい!」
「ああ。2人なら、心強い。」
雅は筑波から場所と時間を聞き、雅はスカイライダーの世界のワールドホープを完成させて別れた。

「ただいま。」
雅は疲れた顔で帰宅する。
「雅、大丈夫?疲れた顔をしているけど。」
「済まない。明日のことを考えて、今日はもう寝たい。食事は朝どうにかする。」
「疲れているなら、そうした方がいいよ。」
フェイトに言われて、雅は9時も回らぬうちに眠ってしまう。
「本当、安らいだ顔で眠っていますね。」
圭一がやってきて雅の顔を見て言った。
「ところで圭一、聞きたいことがあるんだけど。」
「どうした?」
「今日雅が学校で言われたロリコンって何?」
「ブッ!フェイトちゃんはどうしてそんなことを聞くのかな?」
「雅がどうしてあんなに傷ついたのか知りたくて…」
「わかった。フェイトちゃん、落ち着いて聞いてほしい。ロリコンっていうのは、大人の人がフェイトちゃんくらいの子供に恋愛感情等々を抱くある種の精神的な病気の一種なんだ。」
「そんな病気って本当にいるの?」
「ああ。入江先生がそうだったな。」
圭一は、雛見沢にいた頃を思い出す。
「そんな…私、明日雅にそんなことを言った人達の所に行って話してくる。」
フェイトは言う。
「わかった。じゃあ、今日はもう寝るか。」
圭一の言葉で、フェイト達も眠りにつく。

翌日、筑波と雅は砂丘のような土地にいた。
「よくきたな。筑波洋!そして未来から来た仮面ライダー!」
「ゼネラルモンスター、今日こそ決着をつける!雅君、行くぞ!変身!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「わかりました!変身!」
筑波はスカイライダーに、雅はディロードに変身する。
「未来の仮面ライダー、貴様の相手はこいつらだ!」
ゼネラルモンスターはネオショッカーの戦闘員、アリコマンドの大軍をディロードに向かわせる。
「雅君!」
スカイライダーもディロードの所へ向かおうとするが、
「仮面ライダー、貴様の相手はこの私だ!」
ゼネラルモンスターはヤモリジンに変身し、スカイライダーの妨害をする。

「くっ、次から次へと!」
ディロードはロードスラスターでアリコマンドを切り裂いてゆくが、倒したそばから次の群が現れる。そうして、ディロードの体力を徐々に奪っていく。そして、ディロードはついにロードスラスターを落としてしまい、アリコマンドの大軍に囲まれてしまう。その時、
「あれはなんだ。」
シノの声が聞こえディロードが振り向くと、桜才学園の生徒会をつれたフェイトがいた。
「フェイト!どうして連れて来た!融合した世界の人達を巻き込めばどんな被害が出るか分からない!フェイトだってわかっているだろう!」
「それでも、雅のことを知って欲しかった!みなさん、見えますか。あの大軍の中に一人戦う戦士。あれが雅です。」
「あれは何かの撮影か?」
「いいえ、天草さん。あれは現実のことです。雅は、崩壊しそうな世界を救う為に一人戦っているんです。それで、その世界を救っても、みんな雅のことを忘れてしまうんです。たとえどれだけ雅を傷つけても、雅という人がいたことがなくなってしまうんです。それでも、雅はみんなの為に戦うんです。そんな雅に冗談でもあんなことを言って雅を傷つけたあなた達を、たとえ雅が許しても、私は、許しません。」
フェイトはシノとアリアに怒りをぶつける。
「フェイト、もういい!早くみんなを安全な場所へ!」
ディロードはアリコマンドの攻撃を受けながらもフェイトに指示を出す。そして、
「くっ、こんな時、空を飛べれば!」
ディロードは地面に叩き伏せられる。
「雅君!今こそ俺の世界の希望を使うんだ!」
「わかりました!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER-】
ディロードはスカイライダーの世界のワールドホープを発動。すると、ディロードの右手に黒い光が集まり、一枚のカードになる。
「これは!」
ディロードは驚くと、アリコマンドの間を縫って動き、ロードスラスターを取る。そして、そのカードをスキャンする。
【SUMMON RIDE-REINFORCE-】
そのカードの力で、闇の書の管理者、リィンフォースが現れる。
「雅、久しぶりだな。」
リィンフォースは群がるアリコマンドを一掃し、ディロードを引き上げる。
「雅、あの数は大変だ。私の力を使うといい。」
「リィンフォース…わかった!夜天の光よ、我が手に集え!祝福の風、リィンフォース、セットアップ!」
【FORM RIDE-DELOAD SNOW RAIN-】
ディロードはリィンフォースとユニゾンし、正義のスノーレインフォームになる。
「これならいける!」
ディロードはスレイプニールで空を飛ぶ。そして、
「ジェノサイドシフト!」
かつて闇の書の管制人格が使ったフォトンランサージェノサイドシフトを上空で放ち、アリコマンドを全滅させる。
「ありがとう、雅君!行くぞ、ヤモリジン!スカイキック!」
スカイライダーは必殺技のスカイキックを放つ。そして、
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ディロードも必殺技を発動。ディロードに紫の雷が降り注いで力となり、
「『ディロード雷天キック!』」
降下しながら狙いを定めてヤモリジンに必殺のキックを放つ。
「おのれ、仮面ライダー!」
ヤモリジンはゼネラルモンスターに戻り、最後の手段である自爆を放とうとするが、雷に打たれ、その場で爆発し、失敗に終わる。
『ネオショッカーに失敗は必要ない。これからは、私が仕切らせてもらう。』
すると、謎の幻影が現れ、そう宣言する。
「何者だ!」
『我が名は魔神提督。覚えておくのだ、仮面ライダー!』
魔神提督の幻影は消滅し、スカイライダーは去って行った。
「さて、ゼネラルモンスターを倒した。僕達も長居出来ない。直に正しく修正される。それに巻き込まれれば二度と戻ってこれない。早く行こう。」
「雅、待って。天草さん達が言いたいことがあるって。」
「どうしました?」
雅は怯えながら聞く。
「昨日は済まなかった。これは、我々が反省を込めた粗品だ。これで許してもらえないか。」
シノは、両手で抱えている箱を雅に渡す。
「…開けてもよいですか?」
「ああ、もちろん。」
「フェイト、一応、後ろを向いていてくれ。」
雅はフェイトに指示を出し、箱を開ける。中には、雅の想像していたものが入っていた。
「返却させていただきます!」
雅は箱をシノに返してフェイトとともに帰って行った。

「次はスーパー1の世界。ZXの世界まであと少しか。」
絵巻には、何かの改造人間の設計図の絵と、ローラースケートを履き、金属バットを持った少年の絵が描かれていた。
つづく

次回の仮面ライダーディロードは!昭和ライダーの世界もあと少し。次は謎の事件に雅が挑む。次回、『掴み取れ、梅花の型/少年バット』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダー(スカイライダー)(ワールドホープ):スカイライダーの世界のワールドホープ。リィンフォースのカードが復活する。
リィンフォース:リィンフォースを召喚し、単騎戦闘、またはユニゾンしてスノーレインフォームに変身する為のカード。 
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