| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十八話 呉からその七

 姫路から出て備前に入った、すると。
 その町や村、道や堤を見てだ。中里は唸って言った。
「ええ感じになってるな」
「内政がやろ」
「ああ、前はもうちょっとやな」
「内政が出来てなかったんや」
「そうやったんやな」
「星の奴が二人でな」 
 そして、というのだ。
「しかも二人共内政も出来るけど」
「どっちかっていうと戦向けやな」
「その連中やからな」
「ここまではか」
「出来てなかったわ」
 見事な田畑や町並みをだ、芥川も見ていた。
「流石にな」
「それがか」
「そや、関西に組み込まれてや」
「太宰や弥生ちゃんの手腕でか」
「それが入ってな」 
 それでというのだ。
「ここまでなってこれからもな」
「よくなってくか」
「四国も同じ状況や、そしてな」
「やがては九州もやな」
「そして日本全体がな」
 内政を整えられていくというのだ。
「治安もよおなってくし」
「治安な、うちは治安もええしな」
「それも政やな」
「そや、ただ前も話したけどな」
「治安専門の星の奴もか」
「欲しいな、日本を統一した時辺りでな」 
 その頃にというのだ。
「そうした星の奴見付けたらな」
「日本に招いてか」
「警察任せたいわ」
「奉行所か」
「そうしたいわ」
 こう中里に話した。
「是非な」
「治安も大事やからな」
「わかるやろ、街や村も犯罪があって」
 このことはこの世界も同じだ、どの世界にもそうしたよからぬことをしたりしてしまう者はいるのだ。
「そしてな」
「野盗とか海賊もおるな」
「そうした連中は軍勢送って成敗するけどな」
「警察やなくてか」
「規模がちゃうからな」
 そうした犯罪者とは、というのだ。
「海賊にしても」
「そやから軍の仕事になるか」
「そや」
「相手が強いと軍か」
「野盗や海賊はな」
 そうした大人数で武装している者達はというのだ。
「例えば国定忠治の一家みたいな」
「ヤクザでも規模が大きい連中はか」
「あそこまで行くとヤクザどころやない」
 より規模の大きな相手だというのだ。
「野盗や、実際に国定忠治はそういうこともしてた」
「絹織物奪ったりしてやな」
「儲けてたからな」
「普通のヤクザやなかったか」
「そうや」
 芥川は中里にこうしたことも話した。
「そうした奴等はな」
「軍勢送るか」
「そうする、後な」
「憲兵やな」
 中里は芥川の話の持ってき方から軍の中の警察の話をした。
「そっちもやな」
「何とかしたいな」
「軍の中のこともか」
「わかるやろ、軍も人間の集まりや」
「人間は悪いこともするからな」
「幾ら軍規軍律を厳しくしてもな」
 関西の軍勢のそれもかなり厳しい、若し一銭でも盗めば斬首のうえ魂を消し去る程度である。
「どうしてもな」
「悪いことする奴はおるからな」
「そやからやな」
「そや、そうした連中を効果的に取り締まる為にな」
「憲兵も必要か」
「そういうことや」
 まさにというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧