夢幻水滸伝
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第二十八話 呉からその五
「そして既に円地氏は安芸に向かったでおじゃるよ」
「そこで井伏達と戦の用意をしているんやな」
「吉川氏は四国でおじゃる」
彼はそこに行ったというのだ。
「そこで正岡氏達と合流してでおじゃる」
「それでか」
「呉に向かわれるでおじゃる」
「全部そう動かしてある」
芥川も言った。
「そしてな」
「安芸、いや呉の港からか」
「主力が出てな」
「海で戦をしてか」
「それで勝ってな」
そうしてというのだ。
「九州上陸や」
「そうなるか」
「その予定や」
「予定か、けどやな」
「予定は予定や」
それに過ぎないというのだ。
「変わる場合もある」
「そういうことやな」
「予定は変わるもんや」
当初立てていてもというのだ。
「状況次第でな」
「特に戦はそやな」
「そういうことや、井伏と山本はまずは萩の方や」
「周防、長門か」
「そこで予備と守りをしてもらってな」
「僕等は海での戦か」
「それをやってからな」
「九州に上陸してか」
「井伏と山本もや」
海戦の時は後ろに置く彼等もというのだ。
「九州に来てもらう」
「そうして総攻撃か」
「ああ、それで先陣はな」
芥川は海戦の時も話した。
「やっぱり自分やな」
「僕か」
「海の戦でも一番強いからな」
だからだというのだ。
「そうしてもらうわ、玲子ちゃんとな」
「そうか」
「第二陣は四国の二人と夏目でな」
そこは彼等だというのだ。
「本陣は僕と吉川や」
「全体の采配は自分がやな」
「率いる、それで遊軍はな」
その彼等はというと。
「例の四人や」
「あの連中か」
「今は天守閣におるけれどな」
そこで物見に興じているのだ。
「そやけどな」
「あの四人もか」
「勿論働いてもらう」
「何も言わんかったら怠ける連中やしな」
「菓子食うてゲームしてな」
この世界では双六や札遊びでだ、舶来ものとなっているトランプでもよく遊んで楽しんでいる。
「そればかりやからな」
「そのこともあってか」
「二人ずつ左右の軍勢に入れてや」
そうしてというのだ。
「戦ってもらう」
「遊軍か」
「連中には一番合ってる仕事やからな」
そうした遊軍の役割がというのだ。
「それでや」
「それで戦ってもらうか」
「そうしてもらう、ほな海に行くか」
「港にか」
「呉の港にな」
そこの港にというのだ。
「船に乗せられるだけの兵を率いて、それでな」
「残った兵はやな」
「萩の方に移してや」
そのうえでというのだ。
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