夢幻水滸伝
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第二十八話 呉からその四
「そうしてくわ」
「ほな軍師としてやな」
「知恵を出してくからな」
「よし、ほな頼むで」
「どんな強者も知恵には負ける」
芥川は鋭い目でこうも言った。
「それを証明することになるわ」
「そうやな、軍師がおってこそな」
「戦は出来るやろ」
「ええ戦がな」
「それも頭のええ、な」
軍師にも質がある、質がいい軍師であればある程いいというのは言うまでもない。それはどの軍でも同じだ。
「四智星の一人のな」
「それが自分やな」
「僕に勝てる軍師は三人だけや」
「他の四智星か」
「それ位や、まあリーは棟梁やけどな」
四智星の一人だが、というのだ。
「その連中位や、しかしな」
「その三人にもやな」
「勝ってみせるわ」
軍師としてだ、そうしてみせるというのだ。
「そやから安心せえ」
「自分より上でもか」
「下剋上も世の常や」
この場合は自分より実力が上と『されている』相手にだ、力が強い相手が常に勝つとは限らないのも世の中だ。
「やったるわ」
「その時も自信があるか」
「ある様になる」
これが芥川の返事だった。
「その時までにな」
「そうなるか」
「そや、南洋の二人にもな」
リー、そしてシャロルにというのだ。
「勝ったるわ」
「確か知力は二人の方が上やな」
「教養はリー、術はシャロルの方がな」
実際にそれぞれというのだ。
「上や」
「それでもか」
「僕には実戦で備えた勘がある」
「それでその勘でか」
「勝つわ」
そうしてみせるというのだ。
「絶対にな」
「そうするんやな」
「そや、そして日本が勝つで」
「南洋とは知恵でも戦うか」
「そうなる、しかしリーもシャロルもな」
二人についてだ、芥川はあらためて言った。
「相当に強い」
「けれどその強い相手にか」
「絶対に勝つからな」
「期待してるで」
「今からあの二人のことを調べてる」
即ち研究を行っているというのだ。
「米中も中南米もな」
「そっちの連中もか」
「神星の連中、他の星の連中に勢力自体もな」
「全部調べてか」
「勝てる様にしているわ」
「今の時点からか」
「そうしてるんや」
まだ日本も統一していない、その段階であるがというのだ。
「今からな」
「そしてか」
「太平洋はうちが統一するんや」
「自分より強い相手に勝っていってか」
「統一や、絶対にしてみせるで」
リー達が自分ひいては自分達よりも強い、このことをよく認識したうえでというのだ。そうした話をしつつだ。
中里達は御所から摂津に入り大阪城を見つつだった。
播磨に入った、そして姫路城において。
夏目と合流した、夏目は彼等を出迎えてから言った。
「中原氏は堺にいてでおじゃる」
「そこで政をしてるな」
「そうでおじゃる」
こう中里に答えた。
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