| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十八話 呉からその二

「太宰はもっと厳しいやろ」
「ちょっとくつろいでたら働きなさい、ですわ」
「暇はありませんよって言って」
「会長さんめっちゃ厳しいです」
「鬼みたいですわ」
「それが普通や、そやから僕等も言う」
 自分も中里もとだ、四人に言うのだった。
「怠ける様やったらな」
「報酬減らすんですか」
「その分だけ」
「そうやっちゅうんですか」
「そうしますか」
「それが嫌やったらな」
 そう思うならというのだ。
「わかってるな」
「働け」
「それですか」
「そや、まして今度の戦は強い相手とや」
 九州、彼等とというのだ。
「五万の強者達やからな」
「その五万と戦うんや」
 中里も言う。
「自分等にもかなり働いてもらわなあかん」
「現実問題としてな」
「任せておいて下さい」
「うち等陸でも海でも戦えますから」
「政も出来ますし」
「まさに万能選手ですから」
 四人は二人に全くへこたれずに返した、かなりのことを言われていてもそれでも平気である。
「九州での戦でも勝てます」
「大船に乗ったつもりでいて下さい」
「大船に乗ったつもりで懲罰大隊な」
 芥川はその四人に即座に返した。
「変なことしたらほんまに報酬ダウンや」
「あれっ、懲罰大隊ってそうでした?」
「確かちょっと退いたらズドンちゃいました?」
「そんな情け容赦ない扱いの部隊って聞いてましたけど」
「撃たへんのですか」
「流石にそこまでするか、僕も考えてへんわ」
 少しでも退いたら後ろから撃つ様なことはというのだ。
「全体主義国家とかモンゴル帝国みたいにな」
「それで報酬ダウンですか」
「うち等がちょっと変なことしたら」
「そうするんですか」
「お金のお話になりますか」
「そや、しかしほんまにするからな」
 その報酬減額をというのだ。
「最高で九割や」
「九割って全然ないですやん」
「鬼みたいなダウンですね」
「流石にそこまで下げられたら困りますわ」
「商売あがったりですわ」
 尚報酬には衣食住の完全提供もある、四人共そうしたところまでしっかりと要求しているのだ。
「ほな真面目にやりますか」
「九割ダウンはきついですから」
「こっちの世界でもお金ですし」
「やりましょうか」
「そうせい、九州の連中はほんまに強い」 
 芥川はこのことを実によく認識していた、九州の中での戦ぶりを聞いてそのうえでわかったのだ。
「関西とは全然ちゃうわ」
「薩摩隼人だけやないか」
「そや、刀や槍、弓矢での戦も強いけど」
 それだけでなく、というのだ。
「鉄砲も多い」
「そっちもか」
「こっちの世界でも薩摩で鉄砲をよおさん造ってる」
「関西だけやなくてか」
「あそこでもよおさん造ってる、実は技術力もあって生産力もあってな」
 そうした国力があってというのだ。
「どんどん造っててな」
「鉄砲も多いか」
「大砲は多くないけどな」
「それをよおさん造る技術力と生産力はないか」
「まだな」
 関西程のそれはないというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧