戦国†恋姫 ー無双の狩人ー
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第二章 その者、織田久遠信長
前書き
皆さん、こんにちは、こんばんわ、兄犬です。
皆様は、モンハンワールドは既に予約しましたか?私は既にしました。
いやぁ、楽しみですねぇ~、待ちきれないですねェ~、自分のモンハンデビューは2ndGからです。
一番好きななモンスターは、アカムトルムです!
おっと!話が脱線してしまった...では、どうぞ...
久遠たちの前に現れ、倒れているアカムトXを纏った男と、そのオトモアイル―の虎鉄。
そんな彼らに近づき久遠はこう言う。
久遠「男か...大きさから見て七尺以上は在るのか?それに見た事のない鎧だ....それと隣のこいつは、猫...か?」
女性2「久遠さま!崩れたとはいえ、彼我の戦力は変わらず!ここは後退すべきかと!」
久遠「....デアルカ。おい、サル!」
久遠の呼び声に1人の少女がビクッとしながら返事をした。
少女「は、はひっ!?」
久遠「その鎧男と猫もどきを持って帰れ。あとで検分する」
久遠の言葉に、少女が声を荒げて聞く。
少女「あ、あの死体たちをですかっ!?」
久遠「死体かどうかはまだ分からん。やっておけ」
少女「は、はひぃ~.....」
久遠「権六!五郎左!疾く退くぞ!」
女性1「はっ!皆追い頸は諦めぃ!今は清州に戻る!」
女性2「全軍退却!速やかに清州に戻ります!急いで!」
織田家足軽兵全員『おう!!』
2人の女性の指図に、足軽兵たちは速やかに行動に移った。その中で久遠は呟く。
久遠「義元は討った。当面の危機は去ったが....」
久遠「天から降ってきたあやつは何かの兆しなのか....」
久遠「乱れ乱れたこの世の地獄で、何かが始まろうとしている.....そんな予感がする」
【男side】
俺の体を包み込む、ぼんやりとした靄。
サラサラとした肌触りのような、纏わりつく奇妙な感覚だ。
夢を見ているのか、それとも現実なのか、いまいちはっきりしないのがもどかしい。
しかし.....
男(何だ...このいい香りは....)
何かの甘い菓子のような、しかし清涼感のある匂い。
男「...うっ...うう.....」
それにしても、此処はどこだ?
そう無意識の中、心の中で呟く俺の意識は徐々にハッキリし始め、瞼を開けたと同時に俺の意識と視覚はある存在へと眼を向ける事になった。
少女「おお。起きた起きた」
男「....」
それは、寝ている俺の上に跨って此方の様子をジッと見ている少女であった。
しかしこのような事に一々驚く必要はない。ましてやそんな事に驚くなど思春期の男子では在るまいし.....俺はもう27だぞ。
それしてもこの小娘は誰だ。それに虎鉄はどうなった。そして....“奴”は...
上半身だけを起こした俺を余所に、少女が話しかける。
少女「貴様、一週間も眠りっぱなしだったぞ?壮健なのか?此処に運びこんだ時、貴様の鎧を脱がさせて貰ったが、体中酷い傷だらけだったぞ?こちらで傷の手当てをさせて貰ったが...大事ないか?」
男「....ああ」
俺の返事に少女がホッとした表情で、語り続ける。
少女「そうか...あ、そうであった、貴様に聞きたい事がある。一体どうやって天から落ちてきた?いや、そもそもどうやって天に上ったのだ?」
何?...そう思った俺が口を開く前よりも早く、少女が先に言う。
少女「あれか。貴様は死人で、いわゆる幽霊とかいう奴か?いや幽霊は触れないと聞くが、貴様はちゃんと触れるな。では違うか」
男「...おい」
然れども少女は俺の声を無視する。
少女「おお、他にも聞きたい事があるぞ。あの光の球は一体どういう手品を使ったのだ?あれ程の強い光、我は初めて見たぞ」
男「...おい」
こいつ.....
少女「燃料何だ?荏胡麻か?それとも昨今流行り出した菜種油というやつか?」
男「...おい」
少女「なんだ、油ではないのか?ではどんな絡繰りだ?いや良く考えると違うな」
このガキ....
少女「あの光は灯火のような弱弱しいものではなかった。言うならば、空に輝く日輪の如く、強い光を放っていたものな」
少女「とういう事はあれか?おまえは仏教徒どもが言う、大日如来の化身とやらのとでも言うのか?」
男「...おい」
少女「確かに、それに頷く程の強靭にして鍛え上げられた肉体であるな。それにその傷跡の数々、何処かで武将をしていたのか?それにお前の“あの鎧や武器”だってそうだ。あれはどうやって作ったのだ?私が知る鍛冶屋に、お前の鎧と武器を見せ、同じ奴を作れるかと聞いたが無理と言われた。」
男「...は?」
こいつ今何と言った?俺の武器と防具を勝手に、しかもわが物顔で他人に見せびらかせているのか?
こいつは俺の、ハンターの命である物を勝ってに.....
少女「ん?どうした?何か言ってみせよ。黙っていては何が何だか分からんではないか」
男「一つ...聞く」
少女「ん?」
男「貴様は...誰だ」
少女「お前こそ誰だ」
やけに偉そうなガキだ。仕方ない、俺から名乗るか....
男「俺の名は...荒神 森羅。それが俺の名だ」
少女「あらがみ...しんら...うむ、良い名前だ」
全く、どういう教育を受ければこんな生意気な態度が取れる。そうだ、一つ聞いてみるか...
森羅「もう一つ聞いてもよいか?」
少女「ん?何だ。申してみよ」
森羅「ああ、ドンドルマという場所を知らないか?俺はそこから来たんだが...」
これで知らなかったら、ヤバいぞ。
少女「どん..どるま?何だそれは?」
森羅「...では、バルバレという場所は?」
少女「知らん」
最悪だ....
森羅「マジか....」
俺は頭を抱え項垂れる。が、そんな俺を余所に少女が珍しい物を見る様な好奇心旺盛で聞いてきた。
少女「なあ!その、どんどるまっというのは何だ?それに、ばるばれというのも何だ?なあ!」
森羅「はあ....」
にしても...此処は何処だ?俺は確か奴と戦って、光に呑まれてしまった筈だな?ならばその所為か?
それに虎鉄は如何した?何処に居る?仕方ない、これも聞いてみるか...
森羅「此処は...何処だか説明をしてくれるか?」
少女「デアルカ。....まあ一週間も寝ていたのだ。是非も無し。ならば我が教えて進ぜよう」
少女「ここはな。織田が治める尾張清州の城下町であり、この部屋は我の屋敷の一室だ」
森羅「...は?」
こいつは何を言ってるんだ?おわり?きよす?何処だそれは?町か?村か?俺はてっきり、ユクモ地方に飛ばされて来たのだと思ったが....どうやら違うらしい。
ヤバいぞ...何だかヤバくなったぞ...
少女「一週間前、この尾張清州に向けて、駿府屋形の今川治部大輔が侵攻してきたのだ」
少女「我はそれを迎え撃つ為、寡勢にて田楽桶狭間に進出し、奇襲を仕掛けて義元の首級を挙げ、見事勝利を収めたのだ」
少女「その時。そう、我が義元の首級を搔き切った、丁度その時だ。貴様と猫もどきが天から降ってきたのが」
森羅「..................................................................................は?」
俺がそんな反応をすると、少女が不機嫌になった。
少女「我は事実を教えただけだぞ。それとも何か?我が嘘をついているとでもいうのか貴様!」
森羅「...何故そうなる。誰もそう申していないぞ。はあ...お前は嘘をついていない、これだけは信じれる」
久遠「そ、そうか...」
俺の返答に対して少女は機嫌を直してくれた。全く...
森羅「所で先ほど、俺と猫もどきが天から降って来たと言ったな?」
少女「うむ。そうだ」
森羅「じゃあそいつは今どこにいる?それと俺の防具だけでもいいから返してくれ。この薄着だけでは外にも出れんぞ」
今の状態はインナーであるが、これだけでは外に出られんからな...
俺が言うと少女がハッとなり、苦笑いで答えた。
少女「そ、そうだな。分かった、直ちに持って来させよう。そうだ我の名を教えねばな」
森羅「ん?ああ、そうだな」
すると少女が立ち上がり、大きく手をかざし、名乗った。
少女「聞いて驚け!我の名は、織田三郎久遠信長!織田家当主にして夢は日ノ本の統一なり!」
森羅「そうか」
俺は淡々と答えた。
久遠「何だ!その「あ、そう」みたいな反応は!もっとあるだろうが!」
森羅「で、お前を何と呼べばいいのだ?信長か?」
久遠「馬鹿者!諱で呼ぶな!久遠と呼べ!」
森羅「そうか...では久遠、うちのオトモの虎鉄と、防具を返してくれないか?」
久遠「分かった。それと貴様の事を森羅と呼んでもよいか?」
森羅「...好きにしろ」
久遠「助かる。それと虎鉄とは、あの猫もどきの名前か?」
森羅「そうだ」
久遠「あやつは何なのだ?妖の類か?」
森羅「アイツは、アイル―という猫種の生き物で。俺たちハンターが狩りをする時に支援してくれる頼もしい相棒だ」
俺の返答に不思議に思った久遠が更なる質問を投げ掛ける。やれやれ...
久遠「はんたぁ?何だそれは?」
森羅「はあ...ハンターとは、モンスターという獰猛且つ、凶暴な化け物を狩る仕事する者たちの事だ。
そこから収入源を得ている」
久遠「もんすたぁ?また分からん言葉が出たが、つまりお前は化け物退治の仕事を生業をしていると思っていいのか?」
森羅「だからそう言っているだろうが、それよりも俺の防具と、相棒の虎鉄を返してくれないか?」
俺の言葉に久遠が、ああ!っと言って部屋から出て行った。おい、いいから防具を返せ。ついでに虎鉄も...
すこしばかり時間が経った頃....
???「あの...お客様。よろしいでしょうか?」
森羅「ん?ああ。構わん」
???「失礼します」
久遠が出て行った襖から、別の女性が来た。
久遠とはまた違う感じの少女が、三つ指をつき、頭を下げている。
顔を上げ、脚付きのお盆を捧げ持って入ってくる少女に対して視線を向ける。
そんな俺に対して、少女は自ら名乗り始める。
帰蝶「給仕を承けます。織田三郎が妻、帰蝶と申します。不束者ではございますが、どうかよしなに」
森羅「...一つ聞いていいか?」
帰蝶「はい、なんでしょうか?」
森羅「君は今、織田久遠信長の妻と言ったのか?」
帰蝶「はい、そうですが何か?」
森羅「いや、女同士で結婚できるのか?と思ってしまっただけだ。不快にさせてすまない。悪かった」
俺が頭を下げると、帰蝶はにこやかに答えた。
帰蝶「どうかお顔をお上げください。私はそのような事、気にしておりません。ですからどうか...」
森羅「ああ、分かった」
帰蝶「お客様に関しての疑問はもっともだと思います。しかしながら、私は久遠の妻となれて本当に良かったと思っております」
彼女の笑みを見て「確かに幸せそうだ」と思い、この話しは止めた。すると彼女が食事をこちらにそっと近づけてくれた。
それを確認した俺は箸を持ち、食事についた。
その間、彼女はジッと、静かに食事に入っている俺の事を見ていた。
帰蝶「....」
森羅「....」
しかしそのような事は気にする事ではない。こちらは見知らぬ土地で一週間ぶりの食事なのだ、ありがたく食べるとする。
森羅「....」
帰蝶「....」
食事を済ませた俺は、彼女に礼を言う。
森羅「ご馳走になった。ありがとう」
帰蝶「お粗末さまでした。それではお盆はお下げしますね」
森羅「ああ」
無駄の無い動きで、お盆を下げる帰蝶に俺はこう言う。
森羅「所で久遠はどうしたんだ?俺の防具を返してもらう筈なのだが...」
帰蝶「久遠でしたら、先ほど貴方様の鎧を預けている者の所に行かれておりますので、もう少々お待ちください」
森羅「そうか...分かった。俺も早くここを出て行き、やらねばならない事がある。すまないな」
帰蝶「やらねばならない事とは?」
森羅「君達からすれば大したことじゃない。唯の私事だ」
流石に仇を探しているなどと言えんからな、それにきっと奴は生きている筈だ。今度は必ず狩る...必ずだ。
帰蝶「....では、これにて失礼します」
そう彼女は、空のお盆を持って部屋から出たのを確認して彼は寝る事にした。
しかし、それからして別の気配を感じ取れる。ふむ...精々、四人と言った所か...全く。
【男...もとい森羅side out】
彼がそうしている間、一方久遠は....
久遠「という事で、あの男に鎧を返そうと思うのだが、いいか?権六」
久遠の話に、家臣であり織田の家老の1人である柴田壬月勝家が難色を示した。
壬月「殿、我らに相談もなくそのような事を決定されるとは....」
彼女に続いてもう一人の家臣にして同じく家老...丹羽麦穂長秀も同意見であった。
麦穂「何を根拠にそう決めたのです?私も壬月さまと同意見なのですが...」
久遠「瞳だ。瞳の色、そして瞳の奥に力強い意思が見て取れる。他の者とは違う強さがあるのだ。だから我は奴を信じる」
麦穂「い、意味が分かりませんよ、久遠さま」
久遠「ふむ...貴様等には分からんか。結菜、お前から見て如何であった?」
久遠は戻ってきた帰蝶こと、結菜に問いかける。
結菜「確かに久遠の言う通り、貴方に害を与えようとは考えている節は無いわ。それに...」
壬月「それに、なんですか?」
結菜「それに、彼には“やらねばならない事”が在るそうだし」
結菜の発言に、2人の家臣は不思議そうな表情を浮かべた。
久遠「ほう...やらねばならない事...か。益々あの男に興味が湧くな」
壬月「しかしながら出自も不明で、しかもあんな分からずな現れ方をした者たちを、簡単に信用する訳にはいきますまい」
麦穂「織田上総介様の家老として、私も壬月さまと同じ意見です」
この二人の反対に対して、久遠は困り果てた。
久遠「頑迷な奴らだ。ならば貴様等自らが、とくと検分すれば良かろう」
壬月「そうさて頂きましょう」
久遠「ただし!試した後、少しでも認める所があれば、今後一切の口出しを禁ずるぞ?良いな?」
壬月と麦穂「「御意!」」
2人の話を終えた久遠は、結菜に森羅の状況を聞く。
久遠「結菜、あやつは如何している?」
結菜「寝ているわ」
結菜の言葉に、壬月は不敵に笑いながら言う。
壬月「ならば丁度いい。その寝込みを襲うとしましょう。殿が仰っる程の男ならば、難なく対処できましょう」
久遠「....悪趣味な奴め」
壬月「宜しいですな?」
久遠「好きにせい。我は我が眼を信じている」
壬月「はっ。では失礼仕る」
そして、壬月と麦穂は共に立ち上がり、襖の前に立つ。
壬月「麦穂。私が合図したら、襖を開け放ってくれ。抜き打ちをかける」
麦穂「分かりました、壬月さま」
彼女の返事を聞き、壬月は秒読みを始めた。
壬月「....三、二、一....今だ!!」
麦穂が襖を開け放ち、そこから壬月が突出して、槍を彼が寝ているであろう布団に向けて突き刺す。
しかし.....
壬月「な!居ないっ!!」
麦穂「そんな、一体どこに....っ!?」
彼女らの慌てようを余所に、森羅は密かに背後を取り、彼女たちの制圧に取り掛かる。
バッ!!
麦穂「はっ!?壬月さま!!後ろですっ!!」
壬月「なにっ!!な!」
森羅「...遅い」
ガシッ!!ダンッ!!!
凄まじい速さで、一気に壬月の懐に入り、彼女の頭を完全に片手で握り掴み、そのまま畳の上へ叩きつける。
壬月「くう!!」
麦穂「壬月さま!...「来ればこの女の首をへし折るが?いいのか?」...っ!?」
視線だけを麦穂に向けながら、彼女に殺気だけで怯ませる。その間壬月に対しては、片手で畳に押し付けたままである。
その時...
久遠「はっはっはっ。やるな森羅」
森羅の見事な動きに、賞賛の声をあげる。
森羅「やるな、ではないぞ。これは如何言う事だ?久遠」
久遠「すまないな。こやつらが如何しても、貴様を試したいと言うてな...」
森羅「...アホか」
その時、森羅に畳に押し付けられている壬月が声を荒げる。
壬月「貴様ぁ!何処の草だっ!」
森羅「は?」
森羅に対し、久遠が補足する。
久遠「草とは忍び、または刺客だな」
森羅「はあ...俺は刺客ではない。「では何だっ!!」お前、畳の上に叩きつけられている中で、
よくそんな強気に出られるモノだな?呆れを通り越して尊敬する」
負けじと、彼に睨み続ける壬月に溜息交じりで見下ろす森羅。そんな彼に久遠がある提案をする。
久遠「どうだろう森羅。約束どおりに鎧は返す、だから壬月を離してくれぬか?」
森羅「.....」
静かに彼女たちをそれぞれ睨み続ける。
久遠「我を信じてくれ」
森羅「...いいだろう」
森羅は言う通りに、壬月を離した。そして彼女も彼に反撃をする事はせず、久遠の身を守る為、彼女の前に立つ。それに麦穂も続く形となる。
久遠「森羅...ありがとう」
森羅「ああ....」
この日を境に、彼の運命がガラリと変わる。その壮絶な道のりは険しい事は、彼は未だ知る由もない....
後書き
如何でしょうか?今回の話は?良ければコメント、ご感想の程宜しくお願いします。
では、また次回で.....
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