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戦国†恋姫 ー無双の狩人ー

作者:兄犬
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第一章 修羅の狩人

 
前書き
今回から、休止した作品に代わりまして此方を投稿します。
どうか宜しくお願いします。
 

 
とある渓谷...暗闇の中、雨が降っている.....

ゴロゴロ、ピカッ!!ドゴォォォォォォォンッ!!!!

雷が鳴り、止む様子も無く、延々と続いてた。

が.........

グガァァァァァァァァァァッ!!!!

その中で大きな生き物の鳴き声が轟いた。

その雄叫びを挙げたのは、モンスターの中で獰猛で凶暴、あらゆる生物を食い尽くし、
暴れ狂う最悪のモンスター.....イビル・ジョー。

しかもその数は一匹だけではない、背後には後十頭いるのだ。

この圧倒する数に、怯む者が居た。

???「旦那さん!これはちとキツイですにゃ!この先に居るであろう”奴”の下に辿り着くのは困難にゃっ!!」




彼はオトモアイル―の虎鉄。彼は他のオトモアイル―の中でも優秀な方で、家事や炊事、
ハンターの武器防具などの鍜治などを熟す事が出来る唯一のオトモだ。

そして....









???「文句言うなら、此処らでお前は離脱してもいいぞ?虎鉄。しかし俺は、この先に向かうぞ。そしてこの先に居る”奴”の下に辿り着く。辿り着き、奴を....殺すっ!!」

そう語る男は、橙の色をし、アカムトルムの素材から作られた防具...アカムトXを纏っている。



しかし、通常のアカムトXには無い筈なのだが、前頭部に三本の角が付けられている。

その姿は、まるで鬼である。





話しを戻そう。そして彼の返事を聞いて、虎鉄は必死の形相で答える。

虎鉄「何を言って居りますかにゃ!!旦那さん!!ワシが旦那さんを置いてオメオメと逃げるなど、そんなのはオトモアイル―の恥にゃっ!!ワシは一生旦那さんの下から去りませんにゃっ!!」

虎鉄の言葉に、男は兜の中でほくそ笑んだ。

そのまま彼は、携えた武器であるチャージ・アックス...破光の盾斧を剣モードで抜刀し、
そのままイビル・ジョーの群に突撃する。

男「おおおっっっ!!!!」

虎鉄「旦那さんに続くにゃっ!!」

虎鉄も自身の武器を構え、彼に続いて行った。

これにイビル・ジョーたちは、我慢せず迎え撃つ為、突撃した。

だが男は、臆することなくイビル・ジョーの眼前で跳躍し、チャージ・アックスの剣を思いっきり且つ、鋭く、ブレや寸分の狂いも無く一頭のイビル・ジョーの脳天に叩き刺した。

その一撃でイビル・ジョーの一頭は、そのまま前のめりに倒れ絶命す。

しかしその光景を他のイビル・ジョーらが黙って居る筈も無く、直ぐに群れの中の二頭が襲い掛かる。

虎鉄「旦那さんっ!!!危ないにゃっ!!!」

男「....」

男は、脳天に突き刺したイビル・ジョーの死骸の上から飛び降り、自身に襲い来る二頭のイビル・ジョーに迎え撃つ態勢を取る。

男「(ピンは...十分か....ならば)」

男はチャージ・アックスの剣を盾にしまうと、ある態勢に入る。

虎鉄「旦那さんっ!!!」

二頭のイビル・ジョーは、大きく口を開きながら進んでくる。彼を食い殺そうとするつもりなのだ。

だが....


男「...邪魔だ」

男の言葉と同時に背中のチャージ・アックスを変形させ、その形は大きな斧になった。そして襲い来る二頭のイビル・ジョーの攻撃を右に上手く躱し、二匹の頭がちょうど彼の攻撃範囲に入ったと同時に、チャージ・アックスを大きく振り下ろす。

ズバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァっっっ!!!!

上段からのチャージ・アックスの振り下ろしに、二匹の頭は綺麗に撥ね飛んだ。

首を亡くした胴体は当然の如く、倒れる。

男「...これで後、八頭か...」





そのまま男は残りのイビル・ジョーたちに突撃する。その後も残りイビル・ジョーたちの攻撃を真面に受ける事無く、男はイビル・ジョーたちを斬り、叩き、突き、殴り、最後にはチャージ・アックスの高出力属性解放斬りで止めを刺した。








そして時間は経ち、”この戦闘は”男の勝利に終わった。


男「ふう...ふう...ふう...これでイビル・ジョーは、全滅だな?」

虎鉄「旦那さんっ!凄いにゃっ!!」

虎鉄は彼に駆け寄り、賞賛の言葉を浴びせる。しかし男は「そんなのは如何でも良い」と言わんばかり、淡々と返事した。

男「如何でも良いそんな事。それより確認するぞ虎鉄。この先に”奴が”居る...そうだな?」

虎鉄「そうですにゃ!この渓谷にある森の奥に、奴が居る巣があるにゃっ!!」

虎鉄の返答に男は内心喜ぶ、この先に自身の大切な者を奪い殺した仇が居る...それだけが男の心をざわめかせたのだ。

男「...これで仇が取れる...彼女の仇が...」

虎鉄「旦那さん...」

男の感傷に浸る姿は悲しげで、哀れに思えた虎鉄であった。

感傷に浸っていたが男は直ぐに止め、その今回の狩りの対象が居る森の方向へ視線を向ける。

男「虎鉄、もう一度確認するぞ。このまま行けば、もしかしたら俺たちは死ぬやもしれん。それに今回はギルドにも黙って行っている、つまりこれは違法の狩猟だ。例え生きて帰れたとしても、俺たちは間違いなく死で持って裁かれるだろう.....それでもいいのか?」

男の言葉に虎鉄は...

虎鉄「旦那さん、ワシは決めたのにゃ。生きる時も死ぬ時も旦那さんと共にと決めているのにゃ、それがオトモアイル―の信念ですにゃ」

曇りの無い目で彼に答える虎鉄に男は「もはや言うまい」と思い、武器を背中にしまい、
今回の狩りの対象が居る森に向かって歩き始める。

男「...行くぞ...虎鉄」

虎鉄「はいですにゃっ!!旦那さんっ!!」

2人はそのまま森に入って行った。だが途中、クシャルダオラ、ガララアジャラ、ゲネル・セルタス、イャンガルルガ、グラビモス、リオレウス、リオレイア、ティガレックスと言った大型モンスターの襲撃に遭い戦いとなってしまった。
それが一度だけでなく二桁を超える始末となり、森の中は大型モンスターの死骸だらけとなった。

ここまでの連戦で流石に疲労が溜まりつつある状態では在ったが、2人は歩を止め引き返す事だけはしなかった。

何が何でも仇を取る...男はそう強く思い続けた。





...そして...







虎鉄「つ...着いたにゃ...此処が”奴”が居る巣にゃ!」

男「...此処が...」

2人が辿り着いたのは、何処か大きく開けた広間の様な場所であった。
何時しか雷と雨は止み、静けさがこの空間にあった。

男「此処に...”奴が”」

その時....

男「!!!...構えろ虎鉄」

虎鉄「旦那さん?どうし...!!!」

虎鉄が聞こうとした時、突如2人が居る場所に光が刺したのだ。未だ夜の中で、
行き成りの神々しい程の光が刺したのだ、こんな在り得ない事に2人は警戒し、
殺気を強めた。





その時である....







ブォォォンっ!!

虎鉄「旦那さんっ!!危ないっ!!」

突然、何か大きな物体が2人の視界に飛び込んで来た。これに際し虎鉄は男を庇う形となり、木に叩き付けられた。

男「虎鉄っ!!ん!何っ!!!くう!!」

虎鉄の無事を確認しようと駆け寄ろうとするが、再び先ほどの物体が男に襲い掛かる。
男は瞬時にチャージ・アックスを抜き、盾で防御した。だがそれでも向こう強さが圧倒し、彼は吹き飛ばされた。

男の図体の大きな体は難なく吹き飛ばされてしまった。

しかし吹き飛ばされながらも、男は直ぐに状態を整え直し、武器を構える。

男「虎鉄は...気絶しているだけだろうが、今は自分の心配だ。それにしても今のは...
ん?上から何か降って来て...これは...白い羽」

男の足元には、白い羽が落ちていた。しかしそれを見て男は直ぐに理解した。

男「ふっ...ふふふっ、ははははっ!やっぱり此処に居たのか...探したぞ...我が敵よ」

そう言いながら上を見上げた。其処には...









大きな天使のような羽が六枚もあり、四足で地に着き、長い尻尾が三つ在り、
全身純白に彩られ、額に長い鋭く尖っている、光る剣の様な角を持った神々しい龍が其処に居たのだ。








男は激しく喜んだ。目の前に自身が追ってきた仇敵が今そこに居るのだから...


男「...貴様に会うまでの間は本当に長かった。貴様に愛する者を殺されて以来、
俺に在るのは最早憎しみしか無かったからな、当然だ。だが...それでも俺は貴様を探した。
その道中、多くのモンスターを狩ってきたが、その所為でギルドナイト共に狙われる毎日となってしまった。
自分の身を守る為、俺はハンターで在りながら人までも殺してきた。それも一人や二人と言った次元では無い。
それでも俺は貴様を殺さねばならない。しかし貴様にとって人間を食い殺すなど、生物としての本能故に当たり前なのだろうがな...だが...俺にとっては、貴様が彼女を殺した事に対して、激しく憎しみが溢れる。だから今日、此処に来た。貴様を殺しにな。

故に、貴様を........狩るっ!!!!」

彼が語り終わったのを待っていたかの様に、純白の龍は羽を羽ばたかせ、大きく咆哮を挙げた。

グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッッッッ!!!

純白の龍は、直ぐさま男に襲い掛かる。

しかしこれには彼は余裕で回避、その瞬間に龍が横腹に思いっきりの良い抜刀からの、高出力属性解放斬りを叩き付けた。

ズバァァァァァァァァァァァァッッッ!!!!

そして撃ち込んだ属性は爆破。例え弱点属性が分からずとも爆破属性でやれば有効な為、用意したのだ。その証拠に奴の横腹に直撃した箇所で爆発が起き、純白の龍は苦しみだした。

どうやら効いた模様だ。



これを好機と見た男は、直ぐさま追撃に出る。

チャージ・アックスを斧から剣に変えて、激しい連撃を繰り出す。これに対して純白の龍は流石に怒り、長い三つの尻尾で男を吹き飛ばそうとした。

これには対処しきれず男は再び吹き飛ばされた。

男「くっ!!!」

直ぐに立ち上がろうとしたが、一瞬彼の体がグラついた。今までの間連戦で着た為、体が悲鳴を上げていたのだ。そしてそれがこの一戦で裏目に出てしまったのだ。

男「くそっ!!こんな時にっ!!ん!しまったっ!!!」

この一瞬が純白の龍に反撃の機会を与えてしまったが、既に遅かった。純白の龍の剣の様な角から夥《おびただ》しい程の光が溢れ出る。

このままでは殺《や》られる....彼はそう思った。ならば今の自分の体を無理矢理立ち上がらせ、武器を構える。

男「...あの攻撃は...恐らく遠距離系のモノか...ならば...」

男は躊躇いも無く、純白の龍の懐目掛けて凄まじい速度で駆け抜ける。

それに対して純白の龍は、角から激しい光を未だ集めている最中で、動ける様子では無い。だが先ほどよりも角に集束された光は、大きくなっていたのだ。

それよりも早く、男は龍の眼前までに駆け寄り、属性解放斬りをお見舞いする。

男「これで......死ねェェェェェェェェェェっっっ!!!!」


ズガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!












だが不幸か、それとも偶発的に起きてしまったのか、彼の一撃は角に直撃し、
その瞬間角に溜まった光が暴発、男と純白の龍と、気絶しているアイル―の虎鉄は、
光に呑まれてしまった。

男「何っ!!...うううっ!!ぬああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」

そして光が止むと、そこに男と彼のアイル―の虎鉄、そして純白の龍は忽然と姿を消してしまったのだ.....

所変わって、雨が降りしきっている其処に、急ぎ何処か走っている兵士がいた。

兵士「申し上げます!!」

兵士が何者かに何かを告げようとしていた。

???「許す!」

兵士「今川勢は、現在田楽桶狭間にて小休止!兵力を分散させ、今昼弁当に入っております!!」

???「デアルカ....大義!!」

兵士が下がると、その少女は鋭く眼を敵が居る方角に向けていた。その背後から2人の女性がいた。

女性1「勝者の余裕...ということでしょうかな」

少女「勝者か。あながち間違ってはおらんな」

女性2「我が方二千弱、対する今川勢は一万五千ほど。軍神摩利支天といえど、この差を覆す事は至難の業かと....」

女性1「常識的に考えれば、あれだけの大群にこれだけの少数で奇襲を仕掛ければ、無謀を通り越して自殺行為だからな」

女性2の発言に、女性1が苦笑いで呟く。

それに対して大将らしき少女が....

少女「常識などと、そんな下らんものに縛られる者では、大業を成し得んぞ」

女性1「しかし殿...」

少女「おけぃ。今やることは問答ではなく、合戦である。説教は義元を討ち取った後に聞いてやる。持ち場に着け!!」

女性2人「「はっ!」」

2人は直ぐに持ち場へと戻って行った。

久遠「さて.....これより織田久遠信長、一世一代の大博打。勝ちきって見せようではないか.....!!」



そして奇襲作戦が成功し、既に戦場は混迷と化していた。しかし敵方の今川勢は、突然の奇襲に対して真面な反撃が出来ず、次々と討ち取られて行った。

そして....





久遠「今川義元の首、この織田久遠信長が、討ち取った―――!!!」

この言葉に今川勢は完全に敗北し、戦場から逃亡する者が続出した。

久遠「織田の勇士たちよ!これより今川勢の追討を――――」

その時....


久遠「何だ、この音は?」

久遠の言葉に、先ほどの家臣の女性1が口を開く。

女性1「な、何だあれはっ!?殿、空を!!」

彼女の言葉に久遠は空を見た。すると.....

久遠「光る球が、天から降ってくるだと.....!?」

久遠「おい権六。あやつらは誰だ!?」

女性1「はっ?....っ!?」

久遠に言われ、落ちてきた光の球が消えた場所に眼を向けると、純白の龍と戦っていたアカムトXを纏ったあの男とアイル―の虎鉄が倒れていた。 
 

 
後書き
如何でしょうか?よければ感想をお願いします。

それではまた次回お会いしましょう.... 
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