ヘタリア大帝国
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119部分:TURN12 ノルウェー星域会戦その三
TURN12 ノルウェー星域会戦その三
「イギリス!このアルビルダに何か用か!」
「ないに越したことはないがあるんだよ」
これがイギリスの返答だった。
「残念なことにな」
「残念なのか?」
「戦争だからだ」
それ自体が残念だというのがイギリスの言葉だ。
「全くな。それはあんたもだろ?」
「いや、私は楽しみだぞ」
アルビルダは笑顔でこうイギリスに返す。
「戦えるからな。そしてドクツを倒す」
「ドクツを倒すって。簡単に言うけれどな」
「数はどれだけだ?」
「俺達が六個艦隊でな」
イギリスはやや憮然とした顔でアルビルダにその数を答えた。
「北欧連合が八個艦隊だ」
「合わせて十四個艦隊だな」
「それでドクツ軍は六個艦隊だよ」
「数は二倍以上ではないか」
「まあな。数はこっちが優勢だよ」
イギリスもそのことは否定しない。とはいっても話すその顔は決して明るくはない。
「けれどそれでもな」
「それでもか」
「油断できない。ドクツは間違いなく強いからな」
「強敵だからこそいいのだ!」
アルビルダはその艦橋から明るく叫ぶ。
「このアルビルダの相手としては丁度いい!」
「ああ、勝つつもりなんだな。アルビルダさんは」
「その通りなのだ!私は勝つのだ!」
またしても威勢よく言うアルビルダだった。
「そして祖国達の危機を救うのだ!」
「まあ頑張ってくれ」
イギリスは少し醒めた感じで述べた。
「じゃあ。ノルウェーで艦隊を集結させてな」
「んだ。皆で戦う」
スウェーデンがイギリスの言葉に応える。
「そんで戦う」
「ドクツは確かに強いですけれど」
フィンランドもだ。意を決した顔で言う。
「僕達も負けられませんね」
「その通りです。皆さんお願いします」
イギリス妹は自分の兄と提督達、そして北欧の国家達に告げる。
「ノルウェーさんの星域で決戦です」
「今僕のところ吹雪だから」
ノルウェーはこのことを一同に話した。
「だからそれを使って戦う」
「よし、それじゃあな。ノルウェーのところで集結したらな」
どうするか。今度はイギリスが言う。
「何か食おうな。俺も何か作るぜ」
「遠慮するだ」
しかしだ。イギリスの今の申し出はスウェーデンにより即座に断られた。
「おめの飯はまずい。だからいらね」
「おい、ダイレクトに言ってくれるな」
「実際にまずいから」
本当に容赦のないスウェーデンだった。
「だからいい」
「くそっ、じゃあ何を食えってんだよ」
「私が作ります」
イギリス妹が出て来て言ってきた。
「ブレイクファストしかできませんが」
「あっ、それをお願いすっぺ」
「そんでいいだ」
デンマークとノルウェーがイギリス妹の申し出に応えた。
「イギリスの妹さんの料理は美味しいって」
「だからそれでお願い」
「わかりました。それでは」
「けれどイギリスの妹さんは本当にブレイクファストしか作れない」
アイスランドはこのことについてぽつりと述べた。
「それは何故」
「どうしても。他のものを作る気になれなくて」
それでだと言うイギリス妹だった。
「我が国は基本的に三食朝食でも大丈夫なのです」
「それも何か凄い」
「メニューと量は豊富で多いので」
イギリス妹の作るブレイクファストはそういうものなのだ。
「御期待下さい」
「おうよ、イギリスが作らないだけで全然違うっぺよ」
デンマークも言う。明るい顔で。
「とにかくイギリスの料理は食えたものじゃないっぺよ」
「これでも俺は料理が趣味なんだがな」
自分ではこう言うイギリスだった。
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